出版社内容情報
☆序文
システムLSIなどにおいてアナログ・ディジタル回路の混載を必要とする場合, アナログ回路の主要素子として従来のバイポーラトランジスタから, プロセス整合性のよいMOSトランジスタに置き替わりつつある。CMOSアナログ回路のLSIへの応用はめざましい。本書ではCMOS回路とバイポーラ回路をできるだけ併記して扱った。これは, アナログ回路においては, バイポーラ回路が基本になって過去蓄積された技術資産があり, 一方CMOS回路には新しい回路技法がある。それぞれの回路技術を理解し, 活用展開を図ることが設計力の向上に寄与する。
アナログ回路に関する著書は各種あり, 電子回路一般から集積回路に踏み込んだものまで種々発行されている。一般の回路技術とIC回路技術に境界線があるわけではないが, アナログIC設計においてはIC特有の制約条件やテクニックがあり, アナログICに適した回路技法がある。本書は, 回路例やシミュレーション結果, ノウハウなどをできるだけ多く掲載し, アナログIC回路の動作理解や設計知識の習得とともに, アナログIC回路設計の技法を身につけてもらうことを意図した。
回路の理解は, 適切な近似とポイントをしぼった詳細な解析にある。うまく両者の切りわけができるようになると回路動作や実現性能への把握が容易になる。
IC回路を理解することによって一般のアナログ回路の設計や応用技術についても一層の理解や設計技法などがレベルアップする効果があると確信している。また, ディジタル設計者についても, アナログ的な考え方の習得に役立つと思う。本書がアナログ回路の面白さや興味をもたれて, 回路設計のレベルアップに役立つことを願っている。
執筆者
佐野 芳昭 佐野技術士事務所 所長・技術士
☆目次
第1章 アナログ回路設計の基礎
1.1 基本的な考え方
1.1.1 課題と対策
1.1.2 回路設計に必要な知識
1.1.3 アナログ・シミュレーションについて
1.2 アナログ回路技術について
1.2.1 機如能・用途分類
1.2.2 アナログ性能による分類
1.3 バイポーラトランジスタ
1.3.1 T型等価回路
1.3.2 ハイブリッドπ型等価回路
1.3.3 hパラメータ
1.3.4 VBE特性について
1.3.5 アーリー特性
1.3.6 飽和特性
1.3.7 安全動作領域
1.4 MOSトランジスタの等価回路など
1.5 抵抗について
1.6 寄生効果など
1.6.1 CMOSの寄生効果(ラッチアップ)
1.6.2 バイポーラトランジスタの寄生効果
1.6.2.1 バイポーラトランジスタのラッチアップ
1.6.3 抵抗の寄生効果
1.6.4 リーク電流
1.7 雑音について
1.7.1 外部雑音について
1.7.2 内部雑音について
1.7.3 バイポーラトランジスタの雑音の関係式
1.7.4 雑音の周波数特性
1.7.5 MOSトランジスタの雑音について
1.7.6 回路設計時の注意
1.8 負帰還について
1.8.1 基本原理
1.8.2 負帰還の種類
1.8.3 負帰還増幅回路の実際例
1.8.4 負帰還の効果
1.8.5 位相補償
1.9 設計値と統計的な考え方
1.9.1 分布について
1.9.2 CpとCpk
1.9.3 FMEA, FTAについて
第2章 要素技術
2.1 バイアス回路と動作点の設定
2.1.1 動作軌跡について
2.1.2 動作点について
2.1.3 負帰還による動作点の安定化
2.1.4 交流負荷の動作点
2.1.5 IC化回路の動作点
2.2 カレントミラー回路
2.2.1 カレントミラー回路の原理
2.2.2 カレントミラー回路の改良例
2.2.3 カレントミラー回路の応用例
2.2.4 MOSトランジスタにおけるカレントミラー回路
2.2.5 カレントミラー回路の注意点
2.3 定電流源回路
2.4 如能動負荷回路
2.5 基準電圧源回路
2.5.1 バンドギャップ回路
2.6 バイアス回路の設計事例
第3章 基本増幅回路
3.1 基本増幅回路
3.1.1 エミッタ接地回路
3.1.2 ミラー効果
3.1.3 カスコード接続
3.1.4 ベース接地回路
3.1.5 位相補償回路
3.1.6 コレクタ接地回路
3.1.7 ソース接地回路
3.1.8 ゲート接地回路
3.1.9 ドレイン接地回路
3.2 バイポーラトランジスタ差動回路
3.2.1 差動回路の原理
3.2.2 利得計算式
3.2.3 入力特性の改善例(1)
3.2.4 改善回路例(2)
3.2.5 同相特性
3.2.6 差動回路の高周波特性
3.3 MOSトランジスタ差動回路
3.3.1 MOS差動回路の誤差要因
3.3.2 サブスレッショルド領域の特性
3.3.3 MOS差動回路の変形例
3.4 差動回路の他の応用接続例
3.4.1 差動電流増幅回路
3.4.2 電圧検出回路
第4章 増幅回路
4.1 増幅回路の構成について
4.1.1 増幅回路設計手順
4.2 小信号交流増幅回路のIC化事例
4.2.1 IC化回路図とブロック図
4.3 交流回路の計算法(低周波)
4.3.1 交流回路の計算法(高周波)
4.3.2 IC化回路
4.4 パワーアンプ回路のIC化事例
4.4.1 ディスクリート回路とIC化回路の例
4.4.2 出力段の構成
4.4.3 出力振幅, 出力電力について
4.4.4 歪率
4.4.5 電力損失について
4.4.6 増幅特性について
4.4.7 電源リップル
4.4.8 回路のアレンジ
4.4.9 保護回路
4.5 オペアンプ回路
4.5.1 オペアンプの代表特性
4.5.2 オペアンプ回路の選定
4.5.3 バイポーラ・オペアンプの設計事例
4.5.4 中間増幅段と出力回路
4.5.5 特性について
4.5.6 スルーレートについて
4.5.7 スルーレートの改善例
4.5.8 電流帰還形オペアンプ
4.5.9 低電圧化手法
4.5.10 CMOSオペアンプ回路の設計
4.5.11 低電圧化対応など
4.5.12 OTA回路
4.5.13 gm-C回路
4.6 コンパレータ回路
4.6.1 CMOSコンパレータ回路
4.7 アナログ演算増幅回路
4.7.1 ギルバート回路
4.7.2 検如波機如能
4.7.3 利得可変回路
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