内容説明
島原の乱のあと、厳しくなった迫害をのがれて、長崎の外海地方から五島列島へ移住してきた隠れキリシタン。明治の初め、その七代目の子孫として生まれたミツは、母、弟との貧しい生活の中で、十六歳になった。ミツのいいなずけの幸吉は、ひそかに洗礼を受けに行った長崎からの帰途、役人にとがめられ、海に捨てられたロザリオを探すために海に入り…芥川賞作家の文学的原点を昇華させた長編小説!
著者等紹介
森禮子[モリレイコ]
小説家、劇作家。本名、川田禮子。昭和3年(1928)、福岡市に生まれる。福岡県立福岡高等女学校卒業。西南学院バプテスト教会で受洗。西南学院大学図書館に勤務。詩人クループを知り、詩作を始める。小島直記が創刊した「九州文学」に参加。昭和31年(1956)、上京。「文藝首都」の同人となって、北杜夫、なだいなだ、佐藤愛子などを知る。また、椎名麟三が主宰する文学集団に加わる。昭和55年(1980)1月、「モッキングバードのいる町」で、昭和54年度下半期の第82回「芥川賞」を受賞。平成16年(2004)、郷里福岡に転居。帰福後は九州各地のキリシタン史蹟探索に取り組む。平成26年(2014)3月28日、栄光病院ホスピス病棟にて召天(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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花林糖
11
(図書館本/購入)幕末から明治初頭の五島列島の久賀島に住むミツが主人公で話が進む。明治になり政府の天皇の神格化の方針によりキリシタン迫害弾圧が厳しくなり、ミツの故郷の島では乳児から老人まで200名以上が想像を絶する拷問を受け、12畳の広間を男女に分け各6畳に押し込めた。読み始め当初は五島列島の方言に慣れず手間取りましたが徐々に慣れ、隠れキリシタンの当時の状況が手に取る様にわかりました。フィクションとの事ですが登場人物の子孫について触れていたのが嬉しかった2020/03/24
Sally-m
1
書店をぶらぶらしているときに目に入りました。そういえば学生の頃、かくれキリシタンについて勉強して、遠藤周作の『沈黙』も読んだことがあるなと。 その時代の事情や国策といえ、やはり、キリシタンの人々のへの弾圧は、目を覆うものがあります。 難しい問題ではありますが、宗教はひとの幸せのためにあってほしい、決して、そのせいで、差別や争いごとがあってはならないと思います。2020/02/16
寿里子
1
Facebookで五島関連をフォローしているなかで、この小説を舞台化したいうのがあり、読んでみました。2019/12/25
Cephalopoda Mollusca
0
★★★☆☆2023/04/09
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