内容説明
鑑真大和上像ほか唐招提寺美術の最新の研究成果をまとめた一冊!鑑真の御寺奈良・唐招提寺には天平以来の数多くの仏教美術品が伝えられている。その研究史をたどる一歩進んだ美術書。
目次
唐招提寺の創立
鑑真の渡日
東征伝絵巻
創建期の戒壇設営と所在地
鑑真和上像の制作と背景
創建期の唐招提寺伽藍と金堂三像
講堂本尊の変遷
新宝蔵の木彫
唐招提寺の舎利信仰
唐招提寺の勅額
鑑真和上と律宗の伝来
著者等紹介
大橋一章[オオハシカツアキ]
1942年中国青島生まれ。早稲田大学大学院博士課程了。現在早稲田大学名誉教授
片岡直樹[カタオカナオキ]
1961年東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程了。現在新潟産業大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
3
唐招提寺に関する研究史集成。仏像がなぜ・どのように、そこにあるのか。美術史分野らしく諸像の伝来解釈に力が入った内容。とりわけ金堂の国宝三像(盧舎那仏・千手観音・薬師如来)については、金堂および「戒壇」の建立経緯も含めて整理が効いています。現講堂本尊(弥勒菩薩)に対しても、唐招提寺・薬師寺・旧髙田寺の関係がミステリのように謎解かれて面白い。またいわゆる「天平仏」に関して、乾漆・木彫といった製作技法、さらに上下瞼の形状や衣文処理などの様式標徴の理解も各論を通じて進んでいく。良書でした。2018/11/28
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
0
唐招提寺の創立、東征伝絵巻、 創建期の戒壇設営と所在地ほか11の論文…「執筆者はいずれも會津八一、安藤更生(早稲田大学美術史家)の学統を継ぐ者たちであり、たんなる作品鑑賞ではない、一歩進んだ研究史をめざしたつもりである。」とのとおり、かなり詳しい。 例えば、鑑真来日理由について四つの説を解説している(が、結論は不明=歴史書にありがち。)大胆な仮説や持論は見られないが、参考文献や研究のキーマンは詳述されているので、自分で妄想するための手がかりはたくさん得られる。 2019/12/24