内容説明
浄土って、なんですか？「浄土思想を基調とする文化的景観」として世界遺産登録を目指す平泉。国宝中尊寺金色堂や毛越寺の浄土庭園に秘められた歴史と文化がやさしくわかる。
目次
牛若、平泉をめざす
鞍馬の毘沙門さま
ムカデと金売り吉次
恋も「早業」鞍馬流
平泉のやんごとなき姫宮
清盛と秀衡
「おごる平家」
千一体の観音さま
掘るに掘れない金の山
みちのく中央金の山〔ほか〕
著者等紹介
大矢邦宣［オオヤクニノリ］
１９４４年、岩手県一戸町生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。岩手県立博物館首席学芸員を経て、盛岡大学教授、平泉郷土館長（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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sigismund
2
浄土は「浄められた土地」ではなく、「浄レ土」すなわち「土地を浄める」運動である。奥州藤原氏が持てる力を駆使して設計し、浄めていった寸分の隙もない浄土空間を読み解いていく。金鶏山の価値、建築物、工芸品、そしてそれらに貫流する、藤原三代の精神。それらを大胆な補助線と仮説で見ていったとき、平泉の真の価値が明らかになっていく。2014/03/24
かやは
1
奥州藤原氏が治めていた平泉。現存するものが少ない中で何故平泉が世界遺産になったのか、その理由がこれを読むとわかる。そこは仏教の世界を現実にしようとした場所だった。毛越寺のお寺は浄土庭園と呼ばれるが、普通浄土庭園と言えば阿弥陀如来像の西方極楽浄土を指す、しかし毛越寺の御本尊は薬師如来である。これは薬師如来が現世での病苦を取り除いてくれる仏様だから、つまり現世に浄土を作り出したのである。2012/10/06
