内容説明
組子の凛とした存在感と木の香り、職人の所作の美しさに、人は魅せられる。しかし、ノスタルジックな感傷にふけっているだけでは、会社は成り立たない。「和」の産業、伝統産業が置かれた経営環境は厳しい。―ここで消えるのか、大事なものを守り続けるのか。―儲かることがすべてと、職人の気概を捨てるのか。経営難から究極の選択を迫られた著者は、一度は和を捨て洋風商品にシフトしたが、困難の中で「本当に大切なもの」に気づく。そして「和のホームページ」によって組子の復活へ歩み出した。失敗と苦悩、希望と気概を経営者が正直に綴った書。
目次
第1章 職人の仕事ぶりは「音」でわかる
第2章 和から洋へ―組子を残すための決断
第3章 背水の陣で臨んだインターネット
第4章 追い詰められたものづくりの現場
第5章 今こそ「和」を取り戻す
第6章 ネット時代、中小企業が大切にしたいもの
第7章 海を越える!職人魂
著者等紹介
谷端信夫[タニハタノブオ]
1966年富山生まれ。富山県立富山商業高等学校、立正大学経営学部を経て、1988年から東京の建材メーカーに4年間勤務。1992年、父親が経営する組子欄間店の跡を継ぐために富山に戻り、職人として5年間修行する。2000年からインターネット販売を行い、全売上の9割近くをネット販売が占めるまでになる。2003年、代表取締役社長就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
4
知人でもある谷端さんの本。組子・欄間という日本の伝統産業とITとの組み合わせが表にたっているが、それだけでなく、谷端さんを囲む人々やご家族、職人さんのことなども描かれている。これまで、直接ご本人からうかがっていたこと以上のものがたりがここにある。伝統工芸のおかれた現状、職人さんの息遣い、そして時代の流れ。今は、外国との商売もあるという。実際に製作さえたものを見たり、工場を見たりしているので、その凄さ、芸術性も実感。実は、私も、ほんの少しではあるが実名で登場している^^2012/04/27
蒼月霧葉
1
組子メーカー社長の奮闘記。ノンフィクション。けっこう精神にくる世界。この人本当に運良く上手くいったから本で読めていくだけで、その裏に潰れていった人も会社もすごい沢山いるやつだ…。億単位の借金負って、ストレスで社内でも家庭でも鬼になって、体壊して、それでも成功者側なのだから世知辛い世界。普通に働けば普通の生活が送れる文明度は遠いなぁ…。2024/05/03
善ちゃん
1
よく存じている方の本です。“もの作り”“日本”と言うキーワードが同じだなぁ…と、勝手に親近感を持っています♪さらに、この本を読んで親近感がましました。“経営者”は皆同じなんですね。資金繰りに悩み、人間関係に悩み、 時代の流れに翻弄され…。それでも歯をくいしばってそこに立ち、心が折れそうな自分と闘う毎日。真っ暗な中でも自分を信じ、仲間を信じ、ひたすら前に進む日々。信じた者だけが開ける事のできる、未来へのステージの扉。私も、信じた道を2012/04/30
さき
0
富山の小さな組子メーカーさんのお話。 「気概」という言葉がとても印象に残った。2014/11/09
Hideyuki Honda
0
これは、面白かった。 買ってしばらく積読にしてしまってすみません(^_^;)。早目に読んでおけば良かった。2013/01/06
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