内容説明
十二歳の娘お里にとって、村の地主さまの家に、三年間住み込みで働く子守奉公は、とてもつらいものでした。主人は、きれいな着物で、おいしいものを食べ、自分はそまつな着物に、冷たいご飯。その上、子守りする赤ん坊は泣いてばかりで、風邪をひけば熱も出します。そのたびに奥さんから叱られるのです。しかし、お里は善意に満ち、繊細な感性の持ち主でもあるのです。つらい、切ない思いをこめて口ずさんだ歌が、やがてみんなの口にのぼり、「五木の子守歌」として歌いつがれます。
著者等紹介
鈴木喜代春[スズキキヨハル]
1925年、青森県に生まれる。青森師範学校卒業。千葉県の小・中学校に38年間勤務。在職中から、子どもの作文・読書の指導をよくし、人の心の奥底にひそむ善意をひき出す教育を実践。その姿勢が創作に投影、人の心と行動を緻密に描き出す作品を生み出す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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