内容説明
1889年(明治22年)10月30日、青森県津軽半島の海岸で、アメリカの貨物帆船チェスボロー号が座礁。現地の車力村の人々の努力で4名が救助されますが、20名が亡くなりました。亡くなった20人の慰霊のため、車力村の海をのぞむ高台に十字架が建てられています。本書は、村人が一丸となって船員を救助する細かい描写に感動させられますが、同時にわずか120年前の出来ごとにもかかわらず、アメリカ船の事故を県庁に伝える通信手段がなく、63キロの道を、二人の若者が走り通して伝達したという記録に驚かされます。
目次
第1章 チェス・ボロー号
第2章 吹きあれる海
第3章 浜の人たち
第4章 青い目に赤い髪の人
第5章 「死ぬでねえど」
第6章 ふたりは走る
第7章 四人の出立
終章 アメリカなし
著者等紹介
鈴木喜代春[スズキキヨハル]
1925年、青森県に生まれる。青森師範学校卒業。千葉県の小・中学校に38年間勤務。在職中から、子どもの作文・読書の指導をよくし、人の心の奥底にひそむ善意をひき出す教育を実践。その姿勢が創作に投影、人の心と行動を緻密に描き出す作品を生み出す
高田三郎[タカダサブロウ]
1941年、北海道に生まれる。神奈川大学工学部卒業。地方公務員を勤めた後、現在は、フリーとなって絵の創作活動に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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