内容説明
フリーの日本史家として多彩な文筆活動を展開する百瀬明治氏の意欲作。本書は、祖師・高僧の到達した深遠なる思想や哲学よりも、日本的発想の根底にある彼らの生き方・考え方に力点がおかれ、そこがこの本の読み所となっている。現代人の問題に通用させるところが著者の力量である。
目次
説話の中の聖たち―末法の世に生きて
親鸞と恵信尼―お互いを観音の化身と信じて
道元―苦行専心の道
日蓮―「雑草的」たくましさの魅力
一遍―凡夫の苦悩を生きた行者
夢窓疎石―無策の策の妙
蓮如―宗教界の織田信長
沢庵和尚―自己の抹消を企てた乞食僧