内容説明
ライフワーク、ここに結実。臨床研究に携わるすべての方、薬物治療や治癒の本質を考察したい方、臨床薬理学の知識をさらに深化させたいと思っている方、必読の書です。
目次
プラセボ投与時に見られる改善率―二重盲検ランダム化比較試験(RCT)のプラセボ対照群に焦点を当てて
プラセボ投与時に見られる有害事象または副作用―二重盲検ランダム化比較試験(RCT)のプラセボ対照群に焦点を当てて
プラセボ効果(反応)の構造的理解
医薬品の臨床試験におけるプラセボの誕生とプラセボ対照群の必要性
プラセボ効果(反応)に関与する要因
対照群にプラセボを使用する際の基本的な考え方
プラセボ対照群を使用する臨床試験を実施する際の工夫と留意点
プラセボ対照二重盲検比較試験における盲検性の水準とその確保
プラセボの使用に関する倫理的ジレンマとそれを乗り越える試み
プラセボ反応(効果)の治療における意義
薬物治療の効果を高めるためのストラテジー1―プラセボ投与時の改善率を高めると患者にはどのような恩恵があるのか
薬物治療の効果を高めるためのストラテジー2―ライフスタイルの改善により「自己治癒力」を高める
補遺 プラセボの説明のしかた―ランダム化比較試験で対照群にプラセボを使用する際の患者への説明
著者等紹介
中野重行[ナカノシゲユキ]
大分大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitten
2
プラセボについてちゃんと勉強したくて購入。薬の効果は、薬そのものの効果(D)のほか、プラセボ効果(P)、自然治癒(N)の三つが合わさって見えている。プラセボ効果と自然治癒を分けて計測することは難しい。あとは、臨床試験時のプラセボの説明。今回、アビガンの治験がなかなか進まなかった理由はここにあるんじゃないかと思っている。RCTならプラセボを使われる可能性あるけど、患者さんが希望すれば観察研究でアビガン使えたからね。分野によってプラセボの力は異なるけれども、宝の山である可能性はある、と。2020/07/22