目次
ことばと文字と文章と
いぎたない(いぎたない;「黄色い」ということば;中華民国牡丹江省;チャリンコ;「なのる」の意;女の学校)
富永仲基の画期性(富永仲基の画期性;平田篤胤と片山松斎)
ラバウルの戦犯裁判(ラバウルの戦犯裁判;閔妃殺害)
昭和十年代外地の日本語教育
著者等紹介
高島俊男[タカシマトシオ]
1937年生れ、兵庫県相生出身。東京大学大学院修了。中国語・中国文学専攻。主な著書に『水滸伝と日本人』(大修館書店、第5回大衆文学研究賞、ちくま文庫)、『本が好き、悪口言うのはもっと好き』(大和書房、第11回講談社エッセイ賞、文春文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
121
この中の文章はほとんどが書き下ろしだそうです。ということでかなり後半はご自分の前から言いたかったことを自由に書かれている気がします。やはり前半の「ことばと文字と文章と」が今までの流れからすると違和感なく読めます。また私は以前から自分でも研究していたこともあり「富永仲基の画期性」というところが参考になりました。2017/02/06
Ryoichi Ito
9
全巻の4割を占める「ことばと文字と文章と」では中国語と日本語の関わりについて詳しく述べる。ことばとしては全く関係のない日本語の中に中国語が入り,ことばにも文字にも文章にも大きな影響を与えた。今となってはこれを変えることはできないが,日本語が固有の発達を遂げることができなくなったのは不幸なことだったかもしれない。 2022/12/07
マッピー
6
小学校上級から中学校初級の子ども向けに書かれた「ことばと文字と文章と」が、全体の1/3以上を占める。ことば=文字ではない。文字がない時代から人間はことばを話してきたのだから。文字はただ、ことばを残すための記号にすぎない。これを忘れると、文字に引っ張られてことば本来の意味が歪んでしまう。「いぎたない」漢字で書くと「寝穢い」このことばをわたしのパソコンは変換することができない。バカだなーってずっと思っていましたが、実はあんまりメジャーなことばではないんですね。私は自分のことだから知っていましたが。2017/05/24
koishikawa85
2
平田篤胤のくだりなど、高島氏の天皇制批判が繰り広げられている。これは文春などでは書きにくかったであろう文章であり、面白い。メーンの文章はたしかに『漢字と日本人』とのダブり感があるが。2011/12/15
kokada_jnet
2
大半を占める、書き下ろしの表題作は、『漢字と日本人』とほぼ同じ内容。どうして、こういう本、出されたのかなあ。高島先生、目が本格的に悪くなって、新しい仕事が難しいのかなあ。2011/10/30