感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
27
6日間に渡る激戦・伊江島戦が題材の後編。軍人2千人、村民1500人の死者。狭い島内で軍民雑居ゆえの悲劇。女性も参加の一体突撃、投降が許されにくい環境からくる自決決断。先日行った本部半島。そこから見える今の伊江島の美しさは格別なのだが、そんな凄惨な現場だったことを、今は知る人は少ない。「ヤンバルの戦い」「シュガーローフの戦い」も含めて、忘れてはならない記憶を読み易い見やすい劇画で残す試みに拍手。2025/04/04
二人娘の父
9
後編の副題は「激闘下の女性たち」。伊江島戦はほぼ全住民を巻き込んだ戦闘という特徴がある。つまり男女の違いなく、戦闘員として戦われた故に、女性が戦死した逸話が数多く出てくる。映画「木の上の軍隊」ではほとんど紹介されない側面であるだけに、映画鑑賞の際には、そのことを頭の片隅に入れておきたい事実でもある。島民は占領後2年間、島に戻れなかったとのこと。「帰る場所さえない」伊江島戦の悲惨さを伝える著者の執念を感じる。2025/07/27