内容説明
大都会の一日がはじまりました。さぁ、みんなおきなさい!もう学校へいく時間ですよ!…路上のおじさんもおなじようにおきだす時間でした。おじさんがかぶるもうふはずいぶんしめっています。おじさんはさむそうです。…路上のおじさんはおなかをすかしていました…とても、がまんできないほどはらぺこでした。…大都会でくらすきよらかな少女と路上生活をつづけるおじさん。ある一日、接点のないふたりがなんどか出会います。路上で生活するおじさんと、きよらかな少女のふしぎな物語。
著者等紹介
V,サラ.[V,サラ.] [V.,Sarah]
1985年、ベルギーに生まれる。児童書ライター、イラストレーター。両親ともにアーティストの家庭に育ち、児童書に関わるのは必然だったと言われる。父は絵本作家のクロード・K.デュボワ
デュボワ,クロード・K.[デュボワ,クロードK.] [Dubois,Claude K.]
1960年、ベルギーに生まれる。絵本作家。イラストレーター。版画を学んだのち工業都市リエージェの美術学校に学ぶ
おびただす[オビタダス]
飫肥糺。1945年、中国大連に生まれ、宮崎県日南市に育つ。早稲田大学卒業。エッセイスト、編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ🍀
165
何があったというのだろう。昔は郵便配達員だったというのに。私の名前は、路上のおじさん。今は邪魔者。そんな名前しか思い出せない。寒いのにとぼとぼ歩いても暖まらない。もっと何かをしなければいけないのに、希望がなかなか見えてこない物語。ビスケットとテディベアが微かな救いとなり、優しい少女の瞳が消え入りそうな気持ちを温かくしてくれたけど、少しの風が吹けば凍えてしまいそうなほどに冷たくて、雨が降れば流れていってしまうほどに、とても切なく言葉さえ聞こえない絵本。鳥はいつも元気に戯れ合う。寒くないのかな。また夜が来る。2023/07/16
とよぽん
47
読友さんたちの感想を読んで、図書館から。作者は親子で共作、日本語訳は、おび ただす さん。絵がバンサンと似た雰囲気だと思った。都会の路上で暮らすおじさん。冷たい地べたで眠り、いつも耐えがたい空腹をかかえている。支援とは何か、考えさせられる。今、その人に必要なこと(もの)を提供するのも大事だが・・・。それにしても、あの女の子のピュアな言動が救いだ。世界は誰一人取り残さないとSDGsを唱えているが、路上に生きる人は増えているのでは?2022/10/08
ひ ほ
26
せつないけどラストは心温まる絵本。2019/04/03
gtn
23
路上のおじさんは、女の子の純真が汚れぬよう守ったのに、大人たちは、路上のおじさんの純真を踏みにじる。2021/04/24
ケニオミ
23
汚い、臭いで、周りから疎んじられている路上生活のおじさん。彼の一日の物語です。おなかの空いているおじさんにお菓子を差し出す少女が救いです。最後の落ちに救いがあります。おじさん、明日からガンバレ!2017/12/02