内容説明
50歳。松井久子は生まれて初めて、監督として映画製作の場に立った。無謀だ。できるわけが無い。けれども、『ユキエ』『折り梅』そして『レオニー』と15年の歳月をかけて、3本の映画を見事に世に送り出した…。人を巻き込んで、常に自分の信じる道を突き進んできた映画監督、松井久子の生きる力とは。
目次
第1章 自律して、生きる
第2章 人生の「初期設定」
第3章 女に生まれ、女として生きる
第4章 創作者としての決意
第5章 宿命の映画『レオニー』
第6章 命をつなぐ者として
著者等紹介
松井久子[マツイヒサコ]
映画監督。1946年生まれ、東京都出身。早稲田大学文学部演劇科卒業。雑誌ライターを経て、1979年、俳優のプロダクション有限会社イフを設立。数多くの俳優のマネジメントを手がける。1985年株式会社エッセン・コミュニケーションズを設立し、プロデューサーとしてドラマ・旅情報・ドキュメンタリー等のテレビ番組を多数企画・制作。映画初監督作品『ユキエ』(1998年公開)は、内外の映画祭で高い評価を得る。第2作『折り梅』(2002年公開)は老人介護を軸に描き、公開から2年間で100万人の観客を動員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のんぴ
31
老境に性愛が開花した主人公の小説「疼く人」の著者。映画の脚本を書き監督もされているのですね。話題の小説は非常に本人が投影されていると感じました。どんな困難も諦めず粘り強く体当たりで臨むパワーは並外れています。それで結果思い通りになるのは、着想の良さのみならず、彼女の人生経験に裏打ちされた芯の強さ、ブレなさが回りに伝わるからでしょう。自分の求めることが明確で迷いがないから、一直線に突き進めるのでしょうね。2022/12/04
とよぽん
6
松井さんが監督した映画「何を怖れる」を、2年前に見た。そのときの松井さんの講演で、非常に謙虚な人柄と、自分に正直で困難から逃げず諦めない人柄を感じた。そしてこの本には、それ以前に制作した3本の映画を中心に、松井さんの半生が真っすぐに語られている。「個」として自律的に生きること・・・彼女の生き方に憧れる。2017/04/16
Maxie
3
著者の育った家庭や短かった結婚生活のことが赤裸々に記されてあり、迷いや不安の中で自律的であろうとする姿に勇気をもらった。しかし同時に、自律的決断とそれに伴う責任の重さに及び腰にもなった。「レオニー」のためにカチュマレクを口説く件りではホロリとさせられた。2012/06/25
estis
2
こんなおばちゃんがいてるのを知ったら、簡単にできひんなんていうてられへん。女性の感想が聞きたいな2012/01/23
きみちゃん
0
自律とは何か、腹落ちしました。2020/04/29