目次
本書のテーマと前史
昭和14年の朝鮮大干魃と日仏・日米交渉
開戦の決断
御前会議における説明の検証と食糧の安定供給を危ぶむ声
東條内閣時代(戦局の推移と国策の決定;食糧問題)
外地と満洲国の食糧事情
大東亜共栄圏(南方)の食糧事情と日本への米の還送等
小磯内閣時代
沖縄戦と食糧問題
終戦の決断
要約と残された課題
補論 AB船による南方からの食糧還送量
著者等紹介
海野洋[ウンノヒロシ]
昭和25年11月東京にて出生。昭和50年3月東京大学法学部卒。同年4月農林省入省。長崎県諌早市農林水産部長、内閣情報調査室内閣調査官、水産庁国際課長、構造改善局防災課長、農林水産技術会議事務局総務課長、水産庁資源管理部長、東北農政局長、(独)農業・食品産業技術総合研究機構副理事長、国立大学法人東北大学大学院法学研究科教授を歴任した後、平成21年8月退官。現在、(公財)農林水産長期金融協会に専務理事として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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天婦羅★三杯酢
1
腹が減っては戦はできぬ。これは古今通じた真実である。にもかかわらず、国運を賭けたとする”あの戦争”に関して、食糧に関する事項が開戦の最高意志決定の中で殆ど論ぜられず、そのくせ終結の時には飢えを理由に終結を計った。後年の研究に於いても食糧の生産・流通・消費について体系的考察をしたものが稀少であった。この著者は、農水省のキャリア官僚を勤め上げた立場もあり、そういう今まで焦点化されなかった事項に光を当てようとし、その企図はある程度達せられたのではないかとおもう。読む事で新たな知見も多く得た。2019/11/18
畝傍
0
第二次世界大戦前~敗戦までの日本帝国内の食糧需給について調査した労作。前線での補給能力欠乏により引き起こされた飢餓は知られたところであるが、では策源地である日本帝国全体の実際の生産消費、そして為政者がどう認識していたかを追う、極めて興味深いものだった。2018/08/04
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- 和書
- 英和対訳幸福な王子・親友