目次
一篇の詩
東京
聖五月
抱擁
手錠
つみびと
仮の海
天窓
著者等紹介
中村安伸[ナカムラヤスノブ]
1971年奈良県生まれ。1996年より「海程」に数年間投句を行なう。2004年より「‐俳句空間‐豈」同人。2008年夏、高山れおなとともにウェブサイト「‐俳句空間‐豈weekly」を立ち上げる。(2010年終刊。)2010年、第三回芝不器男俳句新人賞「対馬康子奨励賞」受賞。2015年、今井飛鳥、大野円雅とともに、日本文学を朗読と歌曲に翻案するバンド「汀の火」を結成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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これはたぶん光をつくる春の遊び/地球は水滴東京の夏暮れて行く/冬ぬくしバターは紙に包まれて/はたらくのこはくて泣いた夏帽子/俳句想えば卵生まれる野分かな/減らないカロリーメイトください夏の月/夏痩せて象の忌々しき睫かな/馬は夏野を十五ページも走ったか/行春や機械孔雀の眼に運河/約束を初期化してゆく初夏の指/空は蜥蜴の色に原爆を落とす日/踊りつゝ夭折しつゝある手足/冬晴れて今年の妻と未だ逢わず/みな王に触れてからゆく冬至かな2018/10/12
pon
1
“鰯雲どのビルも水ゆきわたり”“鳥帰る東京液化そして気化” 年をとったからか、最近短歌より俳句の方が読んでいて楽だ。俳句は自意識が希薄だからだろうか。ロランバルトが俳句のことを白いエクリチュールと言ったとか言わなかったとか。 2017/07/22
豆ぐみ
0
2016年、邑書林刊。選と構成を青嶋ひろの。〈鰯雲どのビルも水ゆきわたり〉〈探梅の手に手にトランペットかな〉〈サイレンや鎖骨に百合の咲くやまひ〉〈京寒し金閣薪にくべてなほ〉〈みな王に触れてからゆく冬至かな〉などなど。2017/04/21
めるるまるる
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読了。 句集は読了というより見終えた、というか、感じ終えたというか…言葉そのものの温度や色彩、ぬめりを感じる、というのが正しい気はする。 詩や小説とはまた違うよね。 TLに流れてきた前評判通りの、刹那的な不可避の生やそれを生む性を感じる。2017/04/08