内容説明
マンションのロビーに蝉の亡骸が転がっているそんな日常。藤原龍一郎論=谷岡亜紀「徒労感の向こう側」初句索引・略歴を付す。
目次
短歌 『日々の泡・泡の日々』
アンソロジー 藤原龍一郎の目(平成の社会・時事(五十首)
夢(三十首)
東京(三十首)
歌人の言葉(二十言))
藤原龍一郎論 徒労感の向こう側
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
5
時代の先端というのは行き過ぎすぐ古びるものだろう。マスメディアに身を置く著者の歌は古びていく時代をそのままとらえその虚飾を撃つ。同時に、虚飾でない実体など何処にもないのだという皮肉で、自身も読み手も共に斬る。悲壮なシニカルさ。 /講談社文藝文庫古書店に半額均一なる聖痕ぞ /首都圏に集中豪雨警報が出て快感をわれは覚えて /古今亭志ん朝の死を新聞は告げ秋冷の便器の白さ /コカコーラ流れる暗渠あるという都市伝説にしてナンセンス! /二〇〇一年九月十一日市原克敏は病院でドストエフスキーの幽霊を見き2019/10/09