感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kentaro mori
3
すごい。奇想天外な発想ながら、映像は明晰に見える。●部屋さがし土星をいつも右に見て●晴れの日は衝動的に島を買う●抜歯して他人の靴を履いてゆく●妖精を突き刺している爪楊枝●爪切りに爪の思い出あったはず●少年は放尿のまま蝉になる●笠地蔵ジャズ喫茶では笠を脱ぐ●既得権壊しに黒い船が来る●献血の列に勝手に並ぶ鳥●水たまり小さな悪のオムニバス●葉脈をたどってゆけば村まつり●詩の好きな鮎が一匹瀬に逃げる2018/06/09
あなた
1
小池さんの本を読み返してると、愛を語っていることが多いことにきがつく。「塗り壁にぶつかるまではともに行く」とか「もみがらの中で手首を握りあう」とか「逢うときは水の階段駆けてくる」とか。現代川柳は愛にちかい文芸なのかなともおもう。いろんなやりかたで愛を検証する。むずかしい愛も、たまたまの愛も。そんなの愛じゃないでしょう、というときも、一応やってみる。すべてのことはやってみました、を愛に適用しようとする。愛のしっぱいもひっくるめて。「たてがみを失ってからまた逢おう」2021/11/21