内容説明
西洋に「個人」の確立はあったのか?日本の知識人はなぜかくも純情に近代ヒューマニズムを信じていられるのか?素朴なる疑問。
目次
『罪と罰』を疑う―ドストエフスキー版“聖書”
『西行花伝』への疑問―芸術至上主義者・辻邦生
「二十世紀の批評を考える」―観客席の思想論議
『保田与重郎と昭和の御代』―福田和也への失望
菊池寛の『ある抗議書』―近代の産物としての“人権”
福田宏年の遺作―フロイトと私小説
素朴なる疑問―柄谷行人「日本精神分析再考」の自己矛盾
日本の学問―蕃書調所の伝統
神話の神話化―高橋英夫『志賀直哉』の記号論
戦争という観念―加藤典洋『敗戦後論』を読まざるの弁〔ほか〕