出版社内容情報
《内容》 エピジェネティクスは,同一のゲノムをもった細胞が,遺伝子配列の変化を伴わずに個々の異なる遺伝子発現を行うための機構です.発生・分化過程に必須であり,再生医療への応用も期待されている本分野を,2部構成で基礎研究から生体での働きまでわかりやすく解説します.
《目次》
第1部 クロマチン制御とエピジェネティクス
概論:タンパク質複合体によるクロマチン構造変換/伊藤 敬
第1章 ヒストン修飾とクロマチン構造の変化
1.クロマチンの形成と再構築/安井 潔,伊藤 敬
2. DNA複製期のヌクレオソームアセンブリー/久保知大,柴原慶一
3. リンカーヒストンによるクロマチンリモデリングの制御/浦 聖惠,柏木克信,金田安史
4. ヒストンのアセチル化と転写制御機構/井倉 毅,神谷研二
5. 細胞分裂期におけるヒストンのリン酸化とリン酸化酵素/安田秀世
6. ヒストンのメチル化修飾と転写制御/眞貝洋一
7.核内受容体によるクロマチン構造変換の分子機構/加藤茂明,藤木亮次,北川浩史
第2章 エピジェネティクスと遺伝子発現制御機構
1. DNAメチル化と遺伝子発現制御機構/木住野達也,新川詔夫
2. メチル化DNA結合タンパク質を基盤としたエピジェネティクス/中尾光善,市村隆也,水流添 周,渡邉すぎ子
3. ポリコーム遺伝子群-そのベーシックとトピックス/東中川 徹
4. クロマチンリモデリング因子による転写制御/太田 力
5. グロビン遺伝子の発現制御機構/五十嵐和彦,田邉 修
6. へテロクロマチン化の分子機構/定家真人,中山潤一
7. クロマチンループを介した新しい遺伝子発現制御機構/堀家慎一,Terumi Kohwi-Shigematsu
第2部 生命現象のエピジェネティックな制御機構
概論:生命現象とエピジェネティクス/押村光雄
第1章 発生・分化におけるエピジェネティクス
1. DNAメチル化による発生プログラム/西野光一郎,塩田邦郎
2. 発生過程におけるゲノム・リプログラミング/若山照彦
3. X染色体不活性化を制御するnon-coding RNA/佐渡 敬
4. 生殖系列におけるエピジェネティクスのプログラム/関 由行,松居靖久
5. 核移植とゲノムの初期化/角田幸雄
6. 細胞分化シグナルとしてのエピジェネティクス/白吉安昭,押村光雄
第2章 エピジェネティクスと疾患
1. 発癌とDNAメチル化異常/牛島俊和,大河内江里子,八木由紀子
2. 癌の診断と治療にむけたメチル化研究の新たな展開/豊田 実,佐藤亜由美,秋野公臣,今井浩三
3. ゲノム刷り込み異常と疾患/目黒牧子,押村光雄博
4.クロマチン修飾因子の機能異常と白血病/北林一生
5. 細胞老化とエピジェネティクス/齋藤基輝,石川冬木
6. 統合失調症とエピジェネティクス/栃木 衛,日比野浩之,佐々木 司
7. Rett症候群とエピジェネティクス/近藤郁子,山縣英久