出版社内容情報
戦国時代、戦乱に巻き込まれた56人の女性を取り上げ、2017年NHK大河ドラマ井伊直虎の生涯も描いている。戦国時代、戦国大名の多くは、領土の拡大を目指して、互いに争い合っていました。しかし、何が何でも武力で決着を付けようとしていたわけではありませんでした。孫子の兵法にあるように、できれば「戦わずして勝つ」に如くはないと考えていたのです。
そして、そのために用いられた外交手段の一つが政略結婚でした。多くの女性たちが駆り出され、他家へと嫁がされたのです。天下取りレースの中で、彼女たちの果たした役割は、決して小さくはありませんでした。
本書は、有力戦国大名であった武田氏、北条氏、今川氏、上杉氏、織田氏、徳川氏、豊臣氏の7氏において、政略の駒とされた56人の女性を取り上げ、その波乱に満ちた生涯をたどったものです。
また、そうした時代にあって、誰にも嫁がずに自らが当主となって、政務を担った女性がいました。それが遠江国井伊谷の領主・井伊直虎です。本書は彼女の生涯も、歴史物語の形で取り上げています。
武田信虎の正室で信玄の生母
大井の方(一四九七‾一五五二)
武田信玄が最初に娶った女
上杉朝興の娘(?‾一五三四)
信玄の正室は公家の出身
三条夫人(一五二一?‾一五七〇)
武田氏最後の当主・勝頼の生母
諏訪御料人(一五三〇‾一五五五)
武田氏の血を現在に繋いだ信玄の側室
禰津御寮人(一五二七?‾?)
松姫、菊姫を産んだ信玄の側室
油川夫人(一五二八?‾一五七一)
武田義信に嫁いだ今川義元の娘
嶺松院(?‾一六一二)
武田勝頼に嫁いだ信長の養女
龍勝院(一五五三‾一五七一)
武田氏と運命を共にした勝頼の正室
北条夫人(一五六四‾一五八二)
穴山信君(梅雪)に嫁いだ信玄の娘
見性院(?‾一六二二)
木曽義昌に嫁いだ信玄の娘
真理姫/真竜院(一五五〇‾一六四七)
北条氏康に嫁いだ今川氏親の娘
瑞渓院(?‾一五九〇)
北条氏政に嫁いだ武田信玄の娘
黄梅院(一五四三‾一五六九)
北条氏直に嫁いだ徳川家康の娘
督姫(一五六五‾一六一五)
今川義忠に嫁いだ北条早雲の姉
北川殿(?‾一五二九)
女戦国大名と呼ばれた今川氏親の正室
寿桂尼(?‾一五六八)
今川義元に嫁いだ武田信玄の姉
定恵院(一五一九‾一五五〇)
今川氏真に嫁いだ北条氏康の娘
早川殿(?‾一六一三)
長尾政景に嫁いだ上杉謙信の姉
仙桃院(一五二四・一五二八‾一六〇九)
上杉景勝に嫁いだ武田信玄の娘
菊姫(一五五八‾一六〇四)
上杉家の跡取りを産んだ景勝の側室
桂岩院(?‾一六〇四)
上杉景虎に嫁いだ謙信の姪
清円院(一五五六?‾一五七九)
織田信秀の正室で信長の生母
土田御前(?‾一五九四)
謎のベールに包まれた信長の正室
濃姫(一五三五‾?)
嫡男・信忠を産んだ信長の側室
生駒吉乃(生駒家宗の娘)(一五二八?‾一五六六)
信長を支えた武将の未亡人
お鍋の方(興雲院)(?‾一六一二)
織田信忠と婚約した武田信玄の娘
松姫(信松尼)(一五六一‾一六一六)
三法師を産んだ織田信忠の正室
徳寿院(?‾一六三三)
浅井長政に嫁いだ織田信長の妹
お市の方(一五四七‾一五八三)
松平広忠に離縁された家康の生母
於大の方(伝通院)(一五二八‾一六〇二)
殺害された徳川家康の正室
築山殿(瀬名・鶴姫)(一五四二‾一五七九)
結城秀康を産んだ家康の側室
於万の方(長勝院)(一五四八‾一六二〇)
二代将軍・徳川秀忠の生母
西郷局(一五五二・一五六一‾一五八九)
大坂の陣で和平交渉役を務めた家康の側室
阿茶局(雲光院)(一五五五‾一六三七)
四十代で家康に嫁いだ豊臣秀吉の妹
朝日姫(一五四三‾一五九〇)
家康に危機を救われた未亡人
茶阿局(?‾一六一二)
「側室三人衆」の一人
お亀の方(相応院)(一五七三‾一六四二)
松平信康に嫁いだ織田信長の娘
徳姫(一五五九‾一六三六)
徳川秀忠に嫁いだ信長の孫
小姫(一五八五‾一五九一)
徳川秀忠を恐妻家にした姉さん女房
江(一五七三‾一六二六)
松平忠輝に嫁いだ伊達政宗の娘
五郎八姫(一五九四‾一六六一)
秀吉とは恋愛結婚だった糟糠の妻
北政所(おね/高台院)(?‾一六二四)
秀吉の最初の子を産んだ?
南殿(?‾一六三四)
秀吉の側室になった信長の姪
姫路殿(?‾一六四一)
人質から側室になった鳥取城主の娘
南の局(生没年不詳)
秀吉の寵愛を受けた名家の未亡人
松の丸殿(京極高吉の娘)(?‾一六三四)
秀吉と離縁、公家と再婚した前田利家の娘
加賀殿(摩阿姫)(一五七二‾一六〇五)
嫡男・秀頼と共に豊臣氏に殉じた信長の姪
淀殿(一五六九?‾一六一五)
秀吉の側室となった信長の娘
三の丸殿(?‾一六〇三)
秀吉の目に留まった女戦士
甲斐姫(?‾一五七二)
名門好きの秀吉を喜ばせた血筋
月桂院(嶋子)(一五六八‾一六五五)
朝鮮の役の際、秀吉の側室となった肥前の娘
広沢局(広子)(一五七三‾一六三六)
秀吉から伊達政宗に下賜された美貌の側室
香の前(高田次郎右衛門の長女/種)(一五七七‾一六四一)
豊臣秀次と子連れで再婚した公家の未亡人
一の台(一五六二‾一五九五)
豊臣秀次に見初められた悲劇の美少女
駒姫(一五八一‾一五九五)
豊臣と徳川の橋渡し、豊臣秀頼に嫁いだ徳川秀忠の娘
千姫(一五九七‾一六六六)
鳥越一朗[トリゴエイチロウ]
京都市生まれ。京都府立嵯峨野高等学校を経て京都大学農学部卒業。主に京都を題材にした小説、歴史紀行などを手掛ける。「恋する幸村‾真田信繁(幸村)と彼をめぐる女たち‾」、「杉家の女たち‾吉田松陰の母と3人の妹‾」、「ハンサムウーマン新島八重と明治の京都」、「電車告知人」、「京都大正ロマン館」、「麗しの愛宕山鉄道鋼索線」、「平安京のメリークリスマス」など著書多数。
内容説明
戦国時代、戦国大名の多くは、領土の拡大を目指して、互いに争い合っていました。しかし、何が何でも武力で決着を付けようとしていたわけではありませんでした。孫子の兵法にあるように、できれば「戦わずして勝つ」に如くはないと考えていたのです。そして、そのために用いられた外交手段の一つが政略結婚でした。多くの女性たちが駆り出され、他家へと嫁がされたのです。天下取りレースの中で、彼女たちの果たした役割は、決して小さくはありませんでした。本書は、有力戦国大名であった武田氏、北条氏、今川氏、上杉氏、織田氏、徳川氏、豊臣氏の7氏において、政略の駒とされた56人の女性を取り上げ、その波乱に満ちた生涯をたどったものです。また、そうした時代にあって、誰にも嫁がずに自らが当主となって、政務を担った女性がいました。それが遠江国井伊谷の領主・井伊直虎です。本書は彼女の生涯も、歴史物語の形で取り上げています。
目次
1 武田氏
2 北条氏
3 今川氏
4 上杉氏
5 織田氏
6 徳川氏
7 豊臣氏
歴史物語 誰にも嫁がなかった女領主―井伊直虎
著者等紹介
鳥越一朗[トリゴエイチロウ]
作家。京都府京都市生まれ。京都府立嵯峨野高校を経て京都大学農学部卒業。主に京都を題材にした小説、歴史紀行などを手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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