内容説明
京都再発見の名手が贈る、少し昔の京都の光景。明治・大正・昭和という何故かロマンを駆り立てられる時代を、現在に残る81件の建築物と共に紹介。軽妙なエッセイと叙情をかきたてる写真たちが、当時の風情を思わせます。
目次
三高と帝大
女学生
疏水
職業婦人
十六師団
鉄道
街の灯
電車
恋文
教会
活動写真
文士
月給取り
役所
成金と花街
銀行
哀愁のカフェー
博覧会
銭湯
新聞
ホテルとレストラン
ファッション
嗜好品
抒情画家
探検家
劇場とデパート
こどもたち
町屋と文化住宅
スペイン風邪
女工と小僧さん
著者等紹介
鳥越一朗[トリゴエイチロウ]
1955年京都市生まれ。京都府立嵯峨野高校を経て京都大学農学部卒業。ボランティア活動を通じ、京都の自然や歴史のPRに取り組む。関西気象予報士会京都部会世話人、京都森林インストラクター会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
39
京都の大正時代の建物を紹介したものかと思っていたが、エッセイとそれに関連する建物の写真を収録したものだった。それでもエッセイも疎水とか探検隊、女学生と大正や京都に関連したものばかり、さらにはどの話にもそれに関連する建物の写真が添えられており、京都の近代の歴史を感じさせられる。よく前を通っていた建物や、「なか卯」で食べていた建物も大正時代のものと知って吃驚。道理で味のある建物だと思った。ただ作中にあった八百卯も丸善もプラッツ近鉄もここ数年で消えていってしまっている。願わくば残りの建物は後世に残って欲しい。2013/07/01
花林糖
13
(図書館本)大正ロマン漂う館の紹介ではなく、その時代の様々な事柄と建物の説明が掲載されていました。旧府庁や旧銀行、明倫小学校、教会等が良かったです。「三高と帝大/女学生/疎水/職業婦人/十六師団/鉄道/街の灯/電車/恋文/教会/活動写真/文士/月給取り/役所/成金と花街/銀行/小説「哀愁のカフェー」/博覧会/銭湯/新聞/ホテルとレストラン/ファッション/嗜好品/抒情画家/探検家/劇場とデパート/こどもたち/町家と文化住宅/スペイン風邪/女工と小僧さん」2020/09/03
田中峰和
3
大正は平成の半分以下の期間しかなかったが、激動の時代だった。関東大震災で壊滅的な被害を受けた東京から、京都への首都帰還も考慮されたという。実際、映画撮影所は京都に移り太秦映画村にその痕跡を残すほど。仏教寺院の多い京都だが、キリスト教会も多いのが特徴。同志社大学や平安女学院などレンガ建築の教会が相国寺や京都御苑の間近にあるのも京都らしい。新型コロナ禍のこの時期、どうしても考えてしまうのが、大正7年のスペイン風邪の大流行。日本でも40万人近くの死者が出た。日本にマスクが普及したのはこの時期かららしい。2021/01/05
かもびたき
0
現代のちょっとしたガイドブックとしてもつかえそう使えそうな体裁2014/10/01
Gen Kato
0
資料、にするつもりが、期待したものとはだいぶ違いました。建築物そのものの説明がされた本だと思っていたんですが… 写真はきれいですが、全体像が捉えられたものは少ないです。太平洋戦争の戦災を受けなかった京都は、やはり多くの古き良きものが残っている。そのことだけは確認できました。2013/09/14