内容説明
シャブリとシトー会、ロマネ・コンティとベネディクト会、シャトーヌフ・デュ・パープとカルトゥジア会…修道士たちがブドウ畑に残した足跡を、修道会ごとに丹念にたどる、15のワイン・ツアー。
目次
修道士の到来
「暗黒時代」の修道士とワイン
ベネディクト会のワイン―フランス
ベネディクト会のワイン―その他の国々
シトー会のワイン
カルトゥジア会のワイン
騎士修道会のワイン
その他の修道会のワイン
イングランドの修道士とワイン
ドン・ペリニョンとシャンパン
カリフォルニアのミッションワイン
「生命の水」―蒸留酒
酒好きの修道士
修道院解体
現代の修道士とワイン
著者等紹介
スアード,デズモンド[スアード,デズモンド][Seward,Desmond]
1935年パリ生まれ。イギリスの歴史家。マルタ騎士修道会の一員として活動する傍ら、1970年代より一般向けの歴史書を精力的に執筆、30冊近い著書が刊行されている
朝倉文市[アサクラブンイチ]
1935年生。ノートルダム清心女子大学名誉教授
横山竹己[ヨコヤマタケミ]
1943年生。上智大学文学部英文学科卒業(1966年)、同大学大学院英米文学専攻修士課程修了(1969年)。東北工業大学共通教育センター人間科学部教授(2011年3月定年退職)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nizimasu
5
修道院という形態が、戦乱や疫病の蔓延など、様々な要因がありつつも西洋社会の文化が、他を圧倒した背景には修道院が持つ技術や文化の伝承という側面があったことが周知の事実。その中でもワイン作りにおいて、その果たした役割みたいなものが概観できて、大変興味深い。日本発の本ではこういう本は読むことができないし、非常に翻訳も含めて平易にまとめてある気がしました。ワインの聖と俗の部分がクロスして醸成されてきた味わいに感謝せねばと思うばかり2014/07/30
拡がる読書会@大阪
2
私たちが楽しむワインの多くは、単なる嗜好品ではなく、宗教儀式や生活の一部として深く根付いていたものです。 厳格な修道院生活の中でワイン造りを発展させ、より品質の高いものへと改良。その結果、フランスやイタリアをはじめとするヨーロッパ各地で、修道院ワインが広まり、高い評価を受けるようになったとのこと。 修道士たちは、単なる宗教者ではなく、農業や醸造の知識を持つ技術者でもあったのです。 https://note.com/sharebookworld/n/n73a6dda618612025/02/23
じろ
1
砂糖のない時代の甘い飲料としてのワイン。異教徒の略奪などでの栄枯。フランス革命や十六世紀イギリスの修道院解体などで見られる、修道士への憎悪、それで得をしたのは富者ばかり。日光の当たらない、イギリスの葡萄とワイン。修道士のワイン製造の秘法。秘法を盗もうとする者や、忘却との戦い。修道士の怠惰。修道士の勤労。厳格な二つの修道会、シトー会の平均寿命28歳に対する、カルトゥジア会の長寿。文学における酒好きの修道士たち。索引だけで二十頁近くになる名詞ばかりの本ではあるが、お勧め。2014/02/20
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