内容説明
エデンの園の蛇の絡まる木、教会の螺旋階段、衣食住の生活文化に見られる渦巻き模様など、ヨーロッパの文化を「螺旋形」というキーワードで読み解くユニークで壮大な試み!文化と形の深いつながりを200点の図版で検証する。
目次
第1部 形の文化史―ヨーロッパへの旅(ローマ;ヨーロッパとは何か;文化のシステム)
第2部 蛇の絡まる木(聖書の蛇;古代の蛇;近代の蛇)
第3部 衣食住の形(ヨーロッパの衣装;食文化;住まいの形)
第4部 技術の中の形(つくる;はこぶ;はかる)
第5部 螺旋の文化史(聖性の形、宗教と神話;王権、教権、天;愛の形)
著者等紹介
篠田知和基[シノダチワキ]
1943年東京生まれ。パリ大学博士。名古屋大学教授ほかを歴任。現在、甲南大学人間科学研究所客員研究員。比較神話学研究組織GRMC主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
☆確かに、絡み合う蛇は薬局のマークでもあるから、生命の象徴かな?2022/05/23
arte
1
冒頭から「渦巻きがヨーロッパの機械文明の基本で、そこからヨーロッパ文化を支配する形が形成された」と言い切り、ひたすら螺旋状の形態を神話から近代以降の機械文明にいたるまで、挙げ連ねる。アイディアが欲しいときには役立ちそうだ。おそらく自著『日本文化の基本形○△□』を踏まえての内容なので、むしろそちらの方が面白いのでは。ところで西洋の螺旋は人を天へと向かわせると繰り返されているが、その考察の根拠は何か。そこらへんの先行研究を知りたい。加えて、ロダンとクローデルの『接吻』の比較論は、より深めれば面白そうだ。2011/09/16
メルセ・ひすい
1
14-24 赤31 ヨーロッパと言う名はギリシャ神話のエウロペから来た。…接吻 西欧では普通で珍しくもない…パリの市役所の真ん前で接吻する男女を写した有名なドワノの写真でも、ハイエスの古典的な雰囲気の絵でも、女が心持仰向けになって男を受け入れている。カノーヴァの〈接吻〉はアモールとプシュケを描いていて、ロダンのそれ以上に螺旋形の絡み合いをみせる…エデンの園の蛇の絡まる木、教会の螺旋階段など、ヨーロッパの文化を「螺旋形」というキーワードで読み解く、ユニークで壮大な試み。文化と形の深いつながり。2010/12/05
渓流
0
何を語りたいのか今一分からなかった。えてして文学者の書くものは、論が情緒的で私の脳みそにストンと落ちないことが多い。それにしても、ヨーロッパの文物の中に、これ程螺旋を見つけ出し、それを書き連ねた根性に脱帽。ヨーロッパの文化は螺旋、日本は直線という指摘、慧眼と言うべきか、こじ付けと言うべきか。うーん、慧眼でしょう。2011/04/02
鳩羽
0
ヨーロッパに顕著に見られる螺旋の形について、古代から現代、ヨーロッパのあちこちに飛んで、宗教思想から芸術、工業製品に至るまでを取り上げた本。ひたすら取り上げるばかりで、あまり論がない。けれど、動的な螺旋であるということ、進路方向に動いていく形であるということに感心した。ヨーロッパ的な言葉じゃないけど、解脱したいという感じ?2010/11/10