内容説明
不運と不幸とスキャンダルに苛まれ、理解されたいという強い欲求を感じながらも、自分を表現することが出来ず苦悩し続けた21人の画家たち。作品分析を通して、彼らの激しい葛藤を追う。
目次
第1章 放浪から自殺へ―トゥールーズ=ロートレック、ファン・ゴッホ
第2章 神に見放された者たち―カラヴァッジョ、ハルス、ユトリロ、スーチン、モディリアーニ
第3章 静寂と孤独の獲得―フェルメール、ゴーギャン
第4章 彼らが精神錯乱に至るまで―ラ・トゥール、メリヨン、グロ
第5章 幻想から不安まで―ジェリコー、マニャスコ、グレコ、フリードリヒ、フュースリー、ルドン、ユゴー
第6章 天国と地獄―ブレイク、ゴヤ
著者等紹介
セリュラス,モーリス[セリュラス,モーリス][S´erullaz,Maurice]
1914‐97。ルーヴル美術館デッサン部門の主任学芸員などを務める。レジョン・ドール4等勲章受勲、国家功績勲章美術文学部門3等受勲。専門はドラクロワ。また画家としての経歴もあり、その作品はパリ近代美術館などに収蔵されている
藤田尊潮[フジタソンチョウ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学DEA。現在、武蔵野美術大学教授。専門は20世紀フランス文学、フランソワ・モーリアック、サン=テグジュペリなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nat
14
久しぶりに図書館へ行き、面白そうと思って借りました。しかし、文章が読みにくい。翻訳だから?唐突に次の画家の話題に変わるところが苦手でした。もっと詳しく知りたいということが書かれていなくて、もどかしい感じがしました。
ひなにゃんこ
6
★2.5 不運、不幸、スキャンダルetc.数奇な人生に翻弄されながら、類稀な作品を残した、21人の画家を紹介。取り上げられている画家も作品もとても興味深かったけど、何しろ文章が拙い。話が頭に入ってこなくて、文字の上を目が滑る。時系列が前後したり話が飛躍してても同じ流れで続いてたりするので、原文もまとまりがないのかもしれないけど、それを直訳したような、Google翻訳にかけてそのまま?ってくらい読みにくい文章なので、30ページくらいで早々に諦めて、後は拾い読み。 →2020/09/09
タミイ
6
精神疾患、自死、貧困、孤独、放蕩三昧の果てに没した有名画家20人の人生と作品を紹介し「呪われた人生」のグループ別に論じた一冊。テーマの切り口や取り上げ方も面白く作品の印刷も綺麗で良かったのだが、とにかく下手なコンピュータ翻訳のような訳文が日本語として非常に不自然で読みづらく、その点がとても残念!幻視や狂気、苦しみの中だからこそ彼らのヴィジョンはより純化された芸術になり得たのだろうし、逆にそれほどの特殊な才能を与えられた彼らだからこそ安穏とした人生など送れるはずもなかったのかもしれない。2017/04/03
チューリップ
3
精神的に病んでいたり自殺してしまったりと売れないまま亡くなったりとか暗めな人生だった画家たちの作品をその生き方と絡めて紹介した本。載っている作品印刷が良くてカラーだと綺麗だなと感じた。実際に見たら凄く圧倒されそうだな。2020/08/03
Punk!Punk!Punk!
3
狂気と貧困の中、死んでいった画家達。ここに記載ある画家は有名な者のみ。数え切れぬ程の埋れた画家達がいて、埋れたままその生を全うしたと思うと芸術の酷さを思わざるを得ない。芸術はその内に狂気を取り込む。構図や構成に於いても凡人には到底創造不可能な視点で現出させる事が出来る。我々はあるがままでしか、現象を捉える事が出来ない。その差こそが、創造力であり、狂気に依る補いであると思う。そして狂気は死をその内に孕む。そこに芸術の危うさと美しさが同居することで、多くの見るものに感銘を与えるように思った。2013/11/09