- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(日本)
内容説明
1939年に「アチック・ミューゼアム」で民俗学研究者としての本格的な歩みをはじめる前の、大阪逓信講習所~高麗橋郵便局員~天王寺師範学校~尋常小学校教員時代の貴重な著述を、ノート、未刊原稿、同人誌、孔版私家版、一般誌などから編纂。若き日の宮本常一の苦悩し模索する姿を窺うことが出来る。
目次
和泉の国の青春
貧しき秀才たち
逓信講習所
私の手帳から―高麗橋郵便局時代
三等郵便局員
孫晋〓(こう)君のこと
吉田君の追憶
あをぞらのもと
農に生まれ農に生きる
歌集 樹蔭
著者等紹介
宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907年、山口県周防大島生まれ。大阪府立天王寺師範学校専攻科地理学専攻卒業。民俗学者。日本観光文化研究所所長、武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事などを務める。1981年没。同年勲三等瑞宝章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
20
まさに死屍累々…これが国の貧しさというものか。◇島の秀才が「お金を使わず勉強を続ける」ために選んだ道。彼が郵便局員を経て小学校の先生になるまでに、何人もの仲間が病気や貧窮で命を落としていく。そしてそれは、宮本が泉州で受け持った生徒たちも同じ。ラッキーというにはあまりに切ない現実だ。◇大正末期~昭和初年の宮本がわかる文章たち。ガリ版で出した友人の追悼文集、私家版の歌集、未刊のノート、さらには生徒からのお見舞いの手紙まで。とはいえ全く雑然さはなく、全集の編者でもある田村の腕でまとまりのある本に仕上がっている。2013/08/29