内容説明
海辺に咲く花の名前を知っていますか?万葉集に詠われて以来、源氏物語、枕草子にも登場する、日本人に最も親しみ深い海流散布植物ハマユウ(ハマオモト)を主な題材に、黒潮が運んだ海岸植物に秘められたふしぎの数々を、植物生態学者にして漂着物学の第一人者である著者が丹念に読み解く。
目次
第1部 海流散布と日本の植物(海流と漂流・漂着物;日本列島に漂着する熱帯植物の果実と種子;海流散布の特徴と海流散布植物;熱帯から拡がったハマユウ;日本のハイビスカス―ハマボウ;黒潮が運んだ南方起源の海流散布植物)
第2部 ハマユウとハマボウの歴史と民俗(古典の中の植物;江戸時代の本草学と園芸;ハマユウの歌の解釈;出島とシーボルト;人との関わり―伝説と利用;和名と語源)
第3部 生育地の絶滅と保全(生物多様性と種の絶滅;自然保護と天然記念物;保全生物学と植生復元)
著者等紹介
中西弘樹[ナカニシヒロキ]
名古屋市生まれ。広島大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。長崎女子短期大学などを経て、長崎大学教育学部教授。専攻は植物生態学。環境省の希少野生動植物種保存推進員、長崎県環境審議会委員、長崎県文化財保護審議会委員、長崎県環境影響評価審査会委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。