内容説明
「江戸時代の人は、お茶に塩を入れて飲んでいた!?」江戸時代の喫茶事情を探る。どんな茶が、どんな飲まれ方をしていたのか?茶にまつわる幾多の俳諧を紹介しながら、意外な角度から江戸時代の喫茶模様・喫茶文化の実態に迫る。巻末に「資料俳諧茶合」として蒐集した2000余りの茶の句の一覧を付す。
目次
朝茶の習慣―卯の花や朝茶の色はなお黄ばみ
振茶の周辺―立ち寄れば振り茶かおるや桃の花
接待と茶振舞い―接待にただ行く人をとどめけり
茶粥と奈良茶―大和路はみな奈良茶なり花ざかり
炉のある暮らし―炉開きになき人来ませ影ぼうし
茶壷の口切―菊の香や茶に押し合うもこの日より
茶摘みと茶摘み唄―山門を出れば日本ぞ茶摘み唄
新茶と古茶―新茶古茶夢一とせを語る日ぞ
茶を売った人々―せかせかと茶売りも来るや山桜
茶屋のなりわい―散り残る茶屋はまだあり花のもと
江戸名茶伝―蛍見や瀬田の茶時の天道干し
赤穂城の茶室―梅で飲む茶屋もかるべし死出の山
茶色の世界―いつか花に小車と見ん茶の羽織
素顔の芭蕉―芭蕉忌や飯をゆかりの茶に染めん
芭蕉が詠んだ茶―馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり
西鶴プロジェクトと茶の句―天下矢数二度の大願四千句也
蕪村が詠んだ茶―茶の花や黄にも白にもおぼつかな
一茶が詠んだ茶―朝々や茶がうまくなる霧おりる
不白が詠んだ茶―初雪やせめて薄茶のしまいまで
著者等紹介
山田新市[ヤマダシンイチ]
1937年静岡県(旧中川根町)生まれ。立教大学文学部卒。文芸論・喫茶史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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