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内容説明
落人、木地屋、マタギ、ボッカなど、山間秘境を放浪し生活を営んだ民の暮しぶり、また往来に欠かせぬ間道、峠道の果した役割など。山の中にどのような人生があったのか。
目次
1 秘境の話
2 山人の道
3 間道
4 古い道
5 峠越え
6 山の町
著者等紹介
宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907年、山口県周防大島生まれ。大阪府立天王寺師範学校専攻科地理学専攻卒業。民俗学者。日本観光文化研究所所長、武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事などを務める。1981年没。同年勲三等瑞宝章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
36
米良や椎葉、祖谷に熊野、遠山、野麦峠。山中の隠れ里は決して人跡まれな桃源郷ではなく、山の向こうへとつながり物資が往還する交通のある場所だった。山村調査を主宰していた宮本とそこに参画し続けた田村善次郎によるレポート。◇宮本がわは歴史系が多め。平家伝説の落人譚ばかり語られるけど、どの村も、近世の統治者への抵抗と弾圧(虐殺)で旧来の支配層が一掃されるという血塗られた歴史を併せ持つ。◇山中で開かれた牛市、門前町。尾根道の歩きやすさが生んだ有為転変。廃村の危機に対し宮本はとても冷静だが、その源はここからなのだろう。2019/04/10
nata
5
宮本常一と田村善次郎の共著。さすが、山の暮らしに過度のロマンを見ることなく、現実の厳しい歴史を見つめている。また、途中紹介されている『江漢西遊日記』を読んでみたくなった。2016/08/31
徳島の迷人
2
宮本とその弟子の田村の共著。宮本の部分は『山に生きる人びと』と『塩の道』と被る所が多いが、死後に刊行された本だから仕方ないか。「各藩の関所は表向き厳しいが、実際は抜け道が黙認されており住人はそれを使っていた。廻国修行ならば取締りも甘かった。」「(氷見から高山経由で運ばれるため)ブリは飛騨で取れると思っている信州人もいた」という記述は面白い。山奥の集落は生産性乏しいが運輸や宿等のサービス業で稼ぎ、存在理由が分かる。「里の人々は、山の向こうに幸福な世界を夢見ていた」が根本的に異なる生活があるわけではなかった。2021/11/23
欠陥コイン
0
201002082010/02/08