内容説明
聖なる幻視者か、異端の贋預言者か?中世後期、終末論的な預言の数々とともに繰り返しその名を囁かれた「フィオレの大修道院長ヨアキム」とは誰だったのか?真筆を峻別し、精妙に構築されたその歴史神学を読み解く一方、それを核として紡ぎ出されたアンチキリスト、世界最終皇帝、天使的教皇をめぐるさまざまな奇想に、人びとの情念の歴史をたどる記念碑的労作。『形象の書』『教皇預言集』をはじめとする貴重な図版も多数収載。
目次
第1部 大修道院長ヨアキムの声望(ヨアキムと同時代人たち;ヨアキムの歴史観 ほか)
第2部 新しき霊の人々(観想者たちの時代;ヨアキムの預言の唱導者たち ほか)
第3部 アンチキリストと最終世界皇帝(歴史の終わり;最悪のアンチキリストと最終皇帝 ほか)
第4部 天使的教皇と世界革新(「ローマ教会」と「観想教会」;天使的教皇という観念の出現 ほか)
フィオレの大修道院長ヨアキムとともに歩んだ六十年の巡礼(一九九四年)
著者等紹介
リーヴス,マージョリ[リーヴス,マージョリ][Reeves,Marjorie]
イギリスの中世史家。1905年、ウィルトシャー州ブラットン生まれ。1938年よりオックスフォード大学で教鞭を執り、1951‐67年にかけセイント・アン・カレッジの副学寮長を務める。ヨアキム主義研究の第一人者として知られ、また他にその博識を生かして中世史全般に関わる啓蒙書も数多く執筆している。2003年オックスフォードにて歿
大橋喜之[オオハシヨシユキ]
1955年岐阜生まれ。1989年以降ローマ在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- 父と娘の往復書簡