内容説明
明治以降の“自然観”という概念の定着過程を検証し、そこに伏在する危険性を抉り出すとともに、普遍的な自然理解に到達し得た近代知識人の足跡を追い、現代日本人の採るべき道を指し示す、渾身の論考群。
目次
第1部 自然観、世界観、そして日本的自然観
第2部 古代日本人の文化生活(日本古代国家の形成と学校の成立;古代日本児童文化史序説―日本人の“子ども”の見かた)
第3部 日本的自然観の形成と変容(桜の見方の三類型―民俗学者たちの研究を準りながら;菊と日本人;雪舟等楊の「中国の旅」再考―日本水墨画の教育文化史的検証)
第4部 近代知識人の自然理解(正岡子規「写生説」の精神的基盤;牧口常三郎の教育思想家像―ラディカリズムと普遍的「知」の追求と;若き牧口常三郎と現代―『人生地理学』研究の最前線から;山村暮鳥童話『鉄の靴』の神話的思考―詩人山村暮鳥における「自然」「人類的なもの」の発見)
第5部 「二育paradigm」と「三育Ideologie」との間―明治思想史の一断面