内容説明
独創的な構成をもってロマネスク世界の核心に迫った不朽の名著。絵画、彫刻、建築から金工芸術まで、分野にとらわれることなく縦横に論じ、象徴芸術としてのこの時代の美の全容を明らかにする。第28回(1972年度)毎日出版文化賞受賞。
目次
総説 象徴芸術の大時代(新しい大建築運動;教会の白い衣 ほか)
第1章 天の像(聖堂と神の像;礼拝像の起源 ほか)
第2章 地の像(地の歴史;旧約の歴史 ほか)
第3章 神の家(素材;石の壁 ほか)
第4章 素材・機能・造形(ロマネスク時代の芸術理念;荘厳美術の伝統 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
302
ロマネスクはゆるやかに浸透、拡大していったものだと思っていたが、紀元1000年を過ぎる頃からイタリア、ガリアを中心に爆発的な広がりをみせていったらしい。そこには消失しやすい木造から石造へといった材質の大転換があったことが大きくかかわっていた。神の家は永遠でなければならないのである。本書は絵画、レリーフ、石像、教会建築と幅広く俯瞰することでロマネスクの本質を解き明かしていこうとするものである。エッセイには饗庭孝雄をはじめ優れたものが多いが、アカデミックなものとしては数ある類書中、最適の1書ではないかと思う。2024/03/23
ヒラタ
3
大好きなロマネスクの本でしたので 繰り返して読み進みました。細かい点でも知識を増やすことができましたし、大きな視点からロマネスク教会をみることができました。2017/08/07