感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
田辺に定住するも居を転々とし(1905)、結婚でようやく居を構え、粘菌研究に没頭する中で長男が生まれる(1906-7)。腰を据えて学術雑誌に精力的に投稿するも、神社合祀政策により、粘菌研究の場でもある神社周辺の自然が破壊され始め、牟婁新報で反対運動を展開し始める(1908-9)。ついに拘引収監されるが、牢獄で新種の粘菌を発見などする(1910)。日記の調子は書簡や論説より淡々としているが、付属の関係資料では神社合祀政策が訓令として各県の解釈で行使され、著者の身辺では強引な森林伐採の形をとったことがわかる。2022/11/23