内容説明
《ヨーロッパの惨禍/ドイツの悪夢》として悪名高き三十年戦争。いまだその戦火くすぶる焦土に、乾いた笑いとともに颯爽と登場した傑作ピカレスク・ロマンの全訳。ドイツ人の《魂のふるさと》として読みつがれるバロック小説の雄編を、著者の息づかいが色濃く残る初版本から新たに訳し起こした労作。17世紀に刊行の諸本を賑やかに彩った挿画を網羅的に再録、訳註や付録資料も充実の《完全版》。
目次
第1巻
第2巻
第3巻
第4巻
第5巻
第6巻(続編)
著者等紹介
グリンメルスハウゼン,ハンス・ヤーコプ・クリストッフェル・フォン[グリンメルスハウゼン,ハンスヤーコプクリストッフェルフォン] [Grimmelshausen,Hans Jacob Christoffel von]
1622頃‐1676。ドイツ・バロック文学を代表する小説家・著述家・暦作家。ドイツ中西部ヘッセン地方の古都ゲルンハウゼンに生まれ、パン職人だった祖父のもとで育つ。三十年戦争に従軍して各地を転戦したあと、ドイツ南西部の上部ライン地方に居を定め、貴族の所領における執事、酒場の主人、町の代官としての職務をこなす生活のなかで、晩年の十年足らずのあいだに数多くの著作を執筆する。支配階層と民衆層の中間領域を生活圏として社会の緊張関係をつぶさに観察しながら、近世ヨーロッパに成立するピカ口(悪漢)小説と阿呆文学の傑作群を残したが、変名のもとに書かれた代表作『ジンプリチシムス』の著者であることが世に明らかとなったのは、ようやく19世紀中葉のことだった。当代の大ベストセラーはやがて「ジンプリチシムスもの」と呼ぱれる類似作品のブームを没後においても発生させる。時代の硬軟さまざまな言説に取材しつつ、それと戯れるように形成された生気あふれる言語表現は、後のグリム兄弟によるドイツ学の営みにとっても貴重な資料となった
吉田孝夫[ヨシダタカオ]
1968年鳥取県生まれ。奈良女子大学文学部教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(ドイツ語学ドイツ文学専修)。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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