出版社内容情報
旅行後には捨てられていく運命にあった観光案内を、地域ごとに分類して多数収載。「大正の広重」と謳われた吉田初三郎ら名人の手になる見事な「鳥瞰図」をカラーで紹介。それは今で言うドローンの映像のようで、小高い山から街を見渡したような立体絵地図である。写真と違うところは、デフォルメが自由自在。実際、その場所から見えるはずのない富士山や、遠く北海道・樺太、はたまた朝鮮半島やハワイまで取りこむこともあった。そのおおらかな遊び心に、思わず見入ってしまう。しかし、意図する景観や街の姿は、強調しつつも写実的に描いており、観光文化を探る資料的な価値は高い。大正から昭和初期、鳥瞰図絵師として一世を風靡した吉田初三郎はじめ金子常光などが手がけた作品は、その時代の街の姿、山河の光景を生き生きと伝えている。
本書は、『日本の観光』シリーズの四作目である。
第一作は、昭和初期の旅行ブームの背景を探求しつつ、わが国を代表する観光地を厳選して概観した。
第二作《近畿・東海・北陸篇》は、日本を代表する観光地の京都・奈良や、中部地方を取り上げた。
第三作《関東・甲信越篇》は、東京から日帰りあるいは一泊で楽しめる観光地を中心に、鳥瞰図をたよりに旅する楽しみに触れた。
そして第四作《中国・四国・九州篇》の本書は、西日本の代表的な観光地に加え、各都市をめぐる旅に光を当てたことを特色とする。
鳥取・松江・出雲・岡山・広島・尾道・萩・山口・秋芳洞、
鳴門・徳島・讃岐・松山・面河渓・高知、
博多・北九州・唐津・長崎・熊本・大分・宮崎・高千穂峡・鹿児島
内容説明
出雲・広島・尾道・萩、鳴門・讃岐・高知、博多・唐津・長崎・熊本・宮崎・鹿児島…旅行後には捨てられていく運命にあった観光案内を、地域ごとに分類して多数収載。「大正の広重」吉田初三郎ら名人の手になる見事な鳥瞰図をカラーで紹介。名所旧跡を訪ねるもよし、幻の路線・今はなき廃線や観光地を探るもよし、時空を超えた旅を愉しむ一冊。
目次
第1章 鳥取・松江・出雲
第2章 岡山・広島・尾道
第3章 萩・山口・秋芳洞
第4章 鳴門・徳島・讃岐
第5章 松山・面河渓・高知
第6章 博多・北九州・唐津
第7章 長崎・熊本・大分
第8章 宮崎・高千穂峡・鹿児島
著者等紹介
谷沢明[タニザワアキラ]
1950年静岡県に生まれる。法政大学工学部建築学科卒業。法政大学大学院工学研究科修士課程修了、博士(工学)。日本観光文化研究所放送教育開発センター助教授を経て、1995年愛知淑徳大学教授。2021年愛知淑徳大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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