宮本常一 瀬戸内文化誌

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  • サイズ B6判/ページ数 411p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784896942439
  • NDC分類 382.174
  • Cコード C0021

内容説明

宮本常一にとって「瀬戸内海の研究」は終生のテーマであった。三〇〇〇の島・海上交通の大動脈・船旅・多様な漁業・製塩・海賊衆など。

目次

瀬戸内海・いまむかし(瀬戸内海の島じま)
瀬戸内の文化(人の移動;瀬戸の物売り;出買船その他;古風の残存と変遷―内海地方の民俗の特色;瀬戸内海の海賊―大内・村上の抗争)
瀬戸内往来(地乗りから沖乗りへ―造船と航海の発達;粥をたく船;瀬戸の船旅;参覲の船旅)
内海の漁業とくらし(瀬戸内海の漁業;内海の漁師たち;瀬戸内の製塩)
安芸と備後の漁村と漁業(海岸の生活とその環境;島の生活;漁業領域;夜漁と昼漁)

著者等紹介

宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907年、山口県周防大島生まれ。大阪府立天王寺師範学校専攻科地理学専攻卒業。民俗学者。日本観光文化研究所所長、武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事などを務める。1981年没。同年勲三等瑞宝章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Sakie

17
海と海の民に焦点を当てた論考集。特に漁業の手法に詳しい。さて古来、瀬戸内海は日本各地から京阪への航路として要衝だった。人々はその時代の需要に合わせて、各地各島で様々な産業を手掛け、生計としてきた。しかし決して裕福ではなかったと宮本常一翁は言う。山地が多く、人が増えても養うための土地が少ない。土地の生産力が足りない。増えてはあぶれ、出稼ぎや海賊、遊女に身を落としたという。波のない内海を絶えず大小の船が航行する。潮や天候の具合によって走り、泊まり、名所を見物し、また無事を願う神事を行なう、歴史の末に今がある。2023/09/08

徳島の迷人

2
主に中世から産業の機械化までの時代、瀬戸内の営みや文化を思い描ける内容。表紙の写真は船を住処とした漂泊民の系譜を感じさせるもの。山のサンカのように、瀬戸内にも漂泊民がいた。船さえあれば他の資本や土地はほぼ無くても良い。小漁師たちは貧しいが、藩の境を自由に越えられた特異な階層。大量の物や重い物は船で運ばれ、山中よりも流動性は高かった。近世以降海賊の危険が少なくなり、島の山中から海岸へ出た民も多い。島には柵が必要ないからか、案外牧畜が多く、本土に貸してもいた。塩作りのために大量の薪を取り、はげ山が増えた。 2021/12/17

magichour

0
本土に従属しつつ対立する特殊性を持ってきた、瀬戸内島嶼社会の変遷を見る。そこには、社会や技術変化の中で栄枯する生活があり、理想に向かい前進しようとした足あとがある。貧しくも生き生きと活動する人々への著者のまなざし。2021/04/09

adustim

0
☆☆☆☆☆2019/01/30

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