内容説明
クリスマスまでの4週間(=待降節)、イースター(復活祭)までの40日(=四旬節)、その1日1日を、人びとはどのように過ごしてきたのだろう?1年12か月、日常をいろどる聖俗の行事を、図版とともに具体的に紹介、教会暦の背後に息づく、伝統的な庶民の「1年」の真の姿にせまる。
目次
初春(二‐三月)(マリア聖燭節;聖ペテロ祭 ほか)
春(四‐六月)(復活祭;五月祭 ほか)
夏(六‐八月)(聖体祭;聖ヨハネ祭 ほか)
秋(九‐十一月)(収穫の行事;聖ミカエル祭 ほか)
冬(十一‐一月)(聖マルチン祭;待降節 ほか)
補説 クリスマス略史(キリスト誕生日の歴史;クリスマス・ツリー ほか)
著者等紹介
福嶋正純[フクシママサズミ]
1933年生まれ。1962年広島大学大学院文学研究科博士課程中途退学。1980年広島大学教授。1995年広島大学名誉教授
福居和彦[フクイカズヒコ]
1935年生まれ。1962年広島大学大学院文学研究科博士課程中途退学。1981年広島大学教授。1992年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ブルーハート
6
クリスマスが近づくと決まってこのような本が無性に読みたくなる。ドイツの年中行事を季節に沿って図説と注釈を入れながら解説している。人々の暮らしに根ざした祭や行事、習慣を知っているとなぜか豊かな気持ちになれる。クリスマス略史の補説が嬉しい。2017/11/16
swingswimmer
0
かつて神聖ローマ帝国の版図にあり、カトリック信仰が根づいた地域の年間行事を解説する書籍。年間を通して豊饒に結びついた儀式が多く、農業を中心に生活する庶民の生活の様子や、ローマ・ゲルマンの文化の影響が窺えた。近現代ドイツ(宗教改革以降)の商業的なクリスマスについては、主に経済格差の観点から批判的に記述されており、頷ける点もあるものの、カトリックが「異教」を習合してきた歴史や、限られたコミュニティで長く続く儀式ほど個人のライフプランを規定の型に当てはめようとする傾向がある点が度外視されているとも感じた。2021/08/13
ぞだぐぁ
0
広島大学の紀要に書かれた物を纏めた本。サブタイトル通り、ドイツの年中行事について四季で紹介している本。また、クリスマスについてはドイツへの浸透について一つの章を用いている。2021/01/06