内容説明
新聞・雑誌などに書かれた短い文章を六章に分けて収録。簡潔・軽快に書かれたこの一冊で、厖大な著作群を読まずして、宮本常一の考えが鮮やかに浮かび上がってくる。
目次
民俗しおり草
旅の周辺
教育を考える
海・島・瀬戸内
徒然考談
農民・農村・農業
著者等紹介
宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907年、山口県周防大島生まれ。大阪府立天王寺師範学校専攻科地理学専攻卒業。民俗学者。日本観光文化研究所所長、武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事などを務める。1981年没。同年勲三等瑞宝章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
42
著者の折に触れ発表した随筆をまとめたもの。民俗学や旅、瀬戸内海や教育、農と章立てされているが、底に流れているものは共通しているように思える。そこにあるのは地方文化の衰退に対する危機感、他の著作と違い時勢や世相を反映した物が多い為、その危機感は一層切実なものと感じられた。昭和三十年から五十年代という古い民族社会が壊れる際に書かれたものだからかもしれないけど、それは現代にも共通するのではないか。それとは別に著者の人生観や意見も生で出ていて、それがまた面白い。特に旅先で経験した出来事や聞いた話のあれこれ等。2014/04/01
佳音
25
うーん(-_-)。短編集ていうより短文集?あんまりかなぁ。ただ、そんな中にもキラリと光る一文あり。2014/04/19
MADAKI
0
よくもここまで集めたな、というレベルで様々な媒体に発表した宮本常一の短めな文章を所収。徒歩での旅によるフィールドワークを重視した人だけあって、旅に対する一家言がやはり目立つ。他にも、教育論、コミュニティ論、農業・農村論など多様な領域について、活き活きとした眼差しで語る。2021/11/29