内容説明
パリが最も豊潤な芸術的雰囲気にあった1920年代、異邦人芸術家たちの生の姿を、綿密な取材と文献研究、180点の写真で証言する、モンパルナス“黄金時代”の定評あるドキュメント!
目次
1 スーチンと影の男クレメーニュ
2 ザッキンとモディリアーニの想い出
3 芸術を夢遊するシャガール
4 田舎者フルニエと社交家キスリング
5 フジタ 切れ長の目のドン・ファン
著者等紹介
クレスペル,ジャン=ポール[クレスペル,ジャンポール] [Crespelle,Jean‐Paul]
1910‐94。フランスのジャーナリスト・美術評論家。日刊誌『フランス・ソワール』学芸部長、日曜誌『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』報道部長などを歴任
藤田尊潮[フジタソンチョウ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。パリ第4ソルボンヌ大学DEA。現在、武蔵野美術大学教授。専門は20世紀フランス文学、フランソワ・モーリアック、サン=テグジュペリなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春ドーナツ
11
「あのさあ、【エコール・ド・パリ】って知ってるかな」「君はいつも唐突だな。École de Parisは、「パリ派」の意味で、20世紀前半、各地からパリのモンマルトルやモンパルナスに集まり、ボヘミアン的な生活をしていた画家たちを指す。 厳密な定義ではないが、1920年代を中心にパリで活動し、出身国も画風もさまざまな画家たちの総称だよ」「むぐぐ」(Wikipedia参照)このひとつの「状況」の雰囲気というか空気を嗅ぐことができた。それは心地よいことです。2017/05/02
サトル
0
今から約100年前、パリに何処からともなく集まり、各々が独特の個性で芸術を追い求めていた異邦人画家たち、とりわけモイーズ・キスリングとその周辺の画家たちの素顔を知りたかった。決して馴染みやすい読み物ではなかったけれど、随所にあの当時のモンパルナスの酒と女と男など、様々な異臭を放つ息遣いが感じられる。粗野で垢まみれだったスーチンが作品とともにダンディに変貌してゆく様やレオナール・フジタの華やかな交友録の中で演じられた東洋のドン・ファンぶりに驚かされたけれど、やはり当時の暮らしぶりを平易に活写してほしかった。2019/05/14
ぽー
0
解説じゃなくて、その時代の息づかいを伝えようとしている一冊。 それにしても、モンマルトルとモンパルナスの違いすらわからなかった初心者なので、とりあえず空気感だけいただきました。2018/08/26