内容説明
三大霊樹(ムユウジュ、ボダイジュ、サラノキ)をはじめ、天から降りそそぐ喜びの五天華、ハス、パンノキ、マンゴー、ビャクダンなど仏教の聖典や密教・護摩の儀式に現れる植物について、その象徴性と、仏教的生活文化とのかかわりを、実地踏査と文献渉猟により探る。収録植物約280種、植物写真・参考図版250余点、和名・漢名索引、学名・サンスクリット名一覧。
目次
1 仏教の聖なる植物(仏教的世界観;仏教三霊樹と五木、五天華;仏教の三大霊樹 ほか)
2 密教仏典の植物(護摩壇と護摩木;護摩壇に捧げる植物;真言呪法の植物 ほか)
3 仏教生活と植物(男女両性の出現;カルパ(却)の長さと人間の寿命
安産の生薬ハマビシ ほか)
著者等紹介
満久崇麿[マクタカマロ]
1914年富山県生まれ。1939年京都大学農学部農林工学科卒業。北海道林業試験場、京都大学農学部助手、京都大学木材研究所教授を経て、1958‐62、66‐70年同所長。1956‐57年ニューヨーク州立林科大学客員教授。京都大学名誉教授。日本学術会議会員、日本木材学会会長などを務める。2009年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
4
仏典は必ずしも難解な論のみを説いている訳ではなく、特に律には日常的な物事も多くみられる。しかし日本の伝わる過程で多大な距離を渡り、翻訳を受けたせいでその正体がつかめないことも多い。気候が異なるので、そもそも日本に存在しないものも多い。しかし今日、東南アジアから熱帯植物が大量に輸入される様になり見聞する機会も増えた。本書は植物をサンスクリット語、パーリ語、漢語等から確実とされる名称と、仏典内の意義を添え、仏典の説話に出てくる物、密教の儀礼に関わる物、仏教教団の日常生活に関わる物の三章立てで解説するものである2018/05/08
きのたん
2
【課題】ミロバロン?ミロビラン?とにかくその植物がすごく有効そうなのに日本には紹介されてない気がする。生えないから?ベンガル菩提樹の話で、ちょっと施しただけで仏になれると言ったら反論されたが、それが物事の「最初の種」と言われれば、う~んそうかもと思う。その後の象と猿と鶏みんな仲良しのお話は好きだ。植物の性質をいいように切り取って仏の教えとからめるのはどうも。けど、そんなこと言ったら説法はたとえ話だらけだし。護摩壇には今でもあんなにいっぱい異国のお香がならんでるのかな。2021/01/22
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