内容説明
源氏物語の薫香、正倉院の宝物と香料、陰翳礼讃―仄暗さの中に漂う香、明治期の舶来香水…。香りにまつわる人と人との物語を綴り、日本の香りの歴史をやさしく語る。物語にちなむ香りのレシピ25点。
目次
1 日本の香り物語(源氏物語の香り―平安貴族の愛した渡来の薫物;陰翳礼讃―闇の中の香りの誘惑;正倉院の香り―聖武天皇に捧げた光明皇后の思い;菊花の契り―菊の香りに託された尽くせぬ思い ほか)
2 香りのレシピ(紫根染めの香包み;ふくら雀の香り雛;更紗の旅路の香入れ;菊の薬玉飾り ほか)
著者等紹介
渡辺敏子[ワタナベトシコ]
東京生まれ。香り研究家。自然の生みだしたフレグランスの研究と普及に努め1992年より「香り花房・かおりはなふさ」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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怜
29
源氏物語は読んでないので、香りと和歌と平安貴族、この周辺関係がよくわかって面白かった。ポプリのレシピもあるのだけど、これは手近な材料でというような代物ではなく、実際には作れなさそう(u_u)2014/11/11
宇宙猫
18
★★ 源氏物語の章は面白かったが、後はいまいち。知識としても物堅いとしても中途半端。ポプリ等の香りのレシピは玄人向けで、ちょっとお試しってわけにはいかず参考にならなかった。2020/04/20
三井寿里
2
日本の美意識を表す名作をベースに香りを紐解く、従来になかった(少なくとも私は読んだことがなかった)香りの本。「源氏物語」の随所に見られる薫物、「薫」と「匂」の違い。「陰翳礼讃」「雨月物語」「三四郎」……香りという視点で、名著を読み直したくなります。ただし、紹介されているポプリのレシピはどれも(材料集めが)困難。それが少し残念です。2019/04/26
たけとり
1
香りに関する物語の解説と、日本における香りの歴史の本。一番古い記録が、淡路島に香木が漂着したってヤツじゃなかったっけ〜?と思っていたら、それも出てきてたり。しかし日本の香りの歴史が仏教伝来とほぼセットになっているとは意外だった。あと香りのレシピも多く載っているんだけど、古代薔薇の花びらなど、材料集めの難易度が高い…w2020/04/07
あ
1
香りをあつかった文学を精選し、日本の歴史と結びつけて、古来から日本人の精神に染み付いたにおいを思い起こさせてくれる。一方、「ノート」といった初歩的とはいえ専門用語がさらりと出てくるので、読み手側にも基本的な知識が求められる。筆者の知性と教養の深さが女性らしい柔らかな文章となって表れている。2018/12/20
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