内容説明
類を見ない猛毒に満ちた格言集!世渡りに役立ちそうな教訓や気のきいた金言を期待されてもそんなものはこの本のどこにもありません。その代わり、本書の格言には毒、あるいはむしろ爆薬が含まれているので極めて危険です。でも、毒には毒、爆薬には爆薬にしかない効用があります。本書に仕掛けられた痛烈な逆説や反語は、地雷の役割を果たし、それを読むことは、危険でいっぱいの地雷原を歩く体験のように、ある種の覚醒をもたらすかもしれません。
目次
第1章 この変な動物、人間
第2章 自己をめぐる右往左往
第3章 関係の罠と制度の檻
第4章 窓越しに見る世界
第5章 大いなる不快な領域
第6章 社会という病理
第7章 因習の獲物
第8章 すべての常識に背いて
著者等紹介
榎並重行[エナミジュウコウ]
1949年東京生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。高校時代からニーチェに親しみ、大学でM・フコーに遭遇。以来、ニーチェとフコーの系譜学を駆使して独自の思索を深めてきた。文学に描かれた東京を題材にして日本近代成立の由来を暴いた処女作『新しさの博物誌』、近代的な知覚のあり方を明らかにした『細民窟と博覧会』(いずれもJICC出版局)などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃいる
1
著者による毒の入った言葉集。刺激のある言葉がほしい時にはいいかも。2006/09/24
半兵衛
1
甘くない、優しくない、でも心に留めておきたい言葉たち。きっと読み返すたび、響く言葉は違うと思う。 今の僕には「語り得ることを残しつつ黙す術を覚えよ。ただ黙し得ぬことをのみ語る勇気を備えよ。」が響く。 言い回しに漂うロシア文学の香り。 2011/10/16
malty
0
「能弁な者は、説得する前に、説き伏せてしまいがちだ。そのため、相手は、どこか釈然としない思いを残し、何かのきっかけがあると、自分はむしろたぶらかされたと感じるようになり、場合によっては自分を説伏した者を憎み、あるいは否認するに至る。2006/04/19