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心を商品化する社会―「心のケア」の危うさを問う

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896918267
  • NDC分類 146
  • Cコード C0211

内容説明

「心の商品化」は作為的に作られている!現代人は心に関する悩みが本当に多いのだろうか?専門家が幅をきかせる風潮、「癒し」「心のケア」という言葉が流行する背景には何があるのか?何事にも自己解決が迫られ、それゆえに専門家依存の風潮が進むなかで、「心」さえモノとして商品化されている。こうした、安易な心理主義の流行は、生きていくうえでのさまざまな困難をもたらす社会的な要因を覆い隠し、問題を個人の責任に還元する構図に支えられている。心理主義が社会に浸透することの問題性を白日の下にさらす試み。

目次

第1章 心理主義とは何か
第2章 現代生活に浸透する心理主義
第3章 『心のノート』と心理学
第4章 予防的心理学的まなざしの浸透
第5章 成長促進のまなざしと自己実現
第6章 解決ではなく問題を重視する関係

著者等紹介

小沢牧子[オザワマキコ]
1937年北海道生まれ。臨床心理学論、子ども・家族論専攻。いくつかの教育相談の職場を経たのち、和光大学などの非常勤講師、国民教育文化総合研究所の運営・研究委員をつとめた。現在、日本社会臨床学会運営委員、和光大学オープンカレジ講師

中島浩籌[ナカジマヒロカズ]
1946年島根県生まれ。慶応大学、パリ大学ヴァンセンヌ校などで現代思想を学ぶ。都立高校教員を経て、現在、河合塾COSMO、法政大学で講師をつとめる。YMCAオープンスペースliby、日本社会臨床学会運営委員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シン

15
「心のケア」の危うさよ。 個人的には学べば学ぶほどあやしく感じる分野。 色んな人に読んで考えるキッカケにしてもらいたい1冊。2007/09/27

Asakura Arata

3
国家資格としての公認心理師はできたが、医療ではいまのところ益はないなあ。これでいいのかもしれないが。2022/10/12

Naota_t

0
副題『「心のケア」の危うさを問う』というのが、本書の主旨。 最近は、「心の病気」も認知度が高まっており、その「扱い方」に警鐘を鳴らす本書であるが、そもそも学問的に日進月歩ではあるが、確定的な答えがない以上、ケアする側も対応を慎重にすべきである、ということ。 自分は時期が違うけれど、2002年4月から文部科学省が小中学校に向けて『心のノート』っていうのを配布して、心の成長を促しているらしい。 本書で内容を見たら、国粋主義で、サイコにしか見えなかったけれど…。 2013/03/31

カイザー

0
3章の『心のノート』についての話が面白かった。アレにそんな深い意味があったのかw11億もかけて制作されたそうですが、自分の中学では全く使われていなかったしそういう学校も沢山あるんじゃなかろうかw“心”にかけていい、漠然とした(あくまで漠然としたに限る)お金や時間はもったいない。社会的な平等さが攪拌され適度に知識を持った国民のいる国で、国政などに違和感や疑問を持たれないようにするためには、そういうマイルドな洗脳が必要になってくるのは国家を運営していく上で仕方のないのかもしれない。個人的な賛否は別として!2012/09/30

D.N

0
小沢は国家や支配者と絡めなければ意外といいんだが・・・2009/07/16

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