内容説明
俗物はバカよりも奥が深く、おもしろいものである。俗物が俗物たるゆえんはどこにあるのか?世間価値としての地位、権力、金、女、知識(教養)、モノ、学歴、有名性、言葉、自尊心…これら手段価値をあたかも目的価値として血道をあげる類の人間を指して言う。しかし、現在という時代を生きているかぎり、いずれの人間も残念ながら俗物たることは免れないことも事実である。それほどに俗物はほとんどすべての人間を映しだす鏡なのだ。俗ニ生キ俗ニ死ス人間が、それでもできることなら、生きる覚悟において非俗でありたいと願う人々に贈る、おもしろくて切ない「当世俗物図鑑」。
目次
第1章 みんな俗物だあ!(「あーあ、かっこつけて」;福田恆存の「俗物論」 ほか)
第2章 男の自尊心、女のプライド(なぜ「俗物」が罵倒語となるのか;聖なる人々 ほか)
第3章 この俗物が!(世間価値に首までつかる;いきなりその気か―地位 ほか)
第4章 俗物で悪かったな!(俗物たちの氾濫;俗物のほうがずっと人間くさいか ほか)
第5章 非俗の人(サムライに俗物はいない;人間の形式 ほか)
著者等紹介
勢古浩爾[セココウジ]
1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。現在、洋書輸入会社に勤務。1988年、第7回毎日21世紀賞受賞。自らの思想の立脚点を「ふつうの人」の立場におき、「自分」が生きていくことの意味を問い続ける
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感想・レビュー
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