内容説明
いまなぜ天皇の戦争責任なのか?本当に「天皇の戦争責任」を問うことに飽きてしまったのか?自らあの戦争を、自分に関係のないこととし、ひたすら謝罪でお茶を濁してきた日本国民は、無意識にも天皇の責任を問うことを避けてきたのではないか?「あいまい」化と一億総無責任体制を打破するためにもいまこの問題に直面すべきだ。矯激な感情問題になりがちな「天皇の戦争責任」というテーマを、冷静に開戦責任、敗戦責任、政治的責任、道義的責任のファクターから切り込み、日本人のあり方を本質的に象徴する固有の問題として論じる。戦後五十八年目にして七人のサムライが果敢に発言する今日的問題提起。
目次
「天皇の戦争責任」論議を始末しよう(小浜逸郎)
昭和天皇の戦争責任と国民の戦争責任(池田清彦)
天皇に戦争責任はある、しかし(井崎正敏)
戦争責任とは何なのか(橋爪大三郎)
マッカーサーの後継者たち(小谷野敦)
法律的・政治的責任は不問、道徳的責任を誰よりも感じていたのは昭和天皇だった(八木秀次)
天皇論の現在はどのレベルにあるのか(吉田司)
著者等紹介
池田清彦[イケダキヨヒコ]
1947年東京都生まれ。東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、山梨大学教授
井崎正敏[イザキマサトシ]
1947年東京都生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。筑摩書房専務取締役編集部長を経て、批評活動に入る
小浜逸郎[コハマイツオ]
1947年横浜生まれ。横浜国立大学工学部卒業。批評家
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年茨城県生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了(学術博士)。大阪大学助教授を経て現在東京大学非常勤講師、国際日本文化研究センター客員助教授
橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、東京工業大学教授
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感想・レビュー
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