内容説明
意外や意外!歌舞伎に描かれる悪・義理人情・忠孝は教育論議を深化させる!生身の教師や生徒の感覚を抜きに学力や偏差値のみで教育を語るひとや近代や人権という観念だけで教育を構想するひとはかぶき者教師の“敵”である。
目次
義理は封建道徳ではない
生徒への義理
傾き者教師
ひととひととのつながり―『絵本太功記』
女の子は水平的に遊ぶ―『番町皿屋敷』(一)
ひとの等価交換の幻想―『番町皿屋敷』(二)
近代的な「個」の惑い―「ここはどこ、私はだれ?」
自己が自己であった時代―『極付幡随長兵衛』
「教師としての自己」と「自己としての自己」
ひととしての対等性―『元禄忠臣蔵』(「御浜御殿綱豊卿」)〔ほか〕
著者等紹介
諏訪哲二[スワテツジ]
1941年千葉県生まれ。東京教育大学文学部卒業。「プロ教師の会」の思想的支柱として活躍中。埼玉県立川越女子高校教諭を2001年3月に定年退職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤枝梅安
15
印象に残るのは次の一節。(183ページ)>この(与えられた)「私」を「私」で選びなおすしか、私たちの「私」を生きる道はない。>あまり、別の、本当の「私」などと思わないほうがいい。これは先週の学年集会で私が話したのと同じ方向の発言だと思う。私は次のように話した。「自分探し」という言葉が流行った時期があった。「夢を実現させる」という日本語を英語に直して短くした言葉が流行り、「本当の自分を探す」というのが流行った。しかし、今の自分が「本当の自分」。この自分を変えていくしかないのだ。2010/09/09
藤枝梅安
2
現代人には理不尽に見える歌舞伎の中の人物達に関する記述:「ここ以外の可能性や私が私以外の者でありうる可能性は想定しない。」は説得力がある。2007/11/19
-
- 和書
- アナログLSI設計の基礎