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「ことば」の課外授業―“ハダシの学者”の言語学1週間

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  • サイズ 新書判/ページ数 217p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896917192
  • NDC分類 801
  • Cコード C0280

内容説明

世界の言語数は「約いくつ」としか答えられない理由とほんとうは得体が知れないバイリンガリズムとの密接な関係。「人はことばではコミュニケーションできない」という意外な話から言語を言語たらしめる七つの性質、声を書き取れない文字の話まで。「単語の数が少ないと文化も貧しい」という思い込みを論破し、ブッシュマン語でも“くさや”は語れると明快に証明する―。数十言語を自在にあやつる破格の天才言語学者が初めて語り下ろした平易かつ高度、専門用語一切なしの、目からウロコの言語学講義。

目次

第1講 新宿語が四言語にカウントされる理由―世界言語事情(1)
第2講 得体が知れないバイリンガリズム―世界言語事情(2)
第3講 現状までの意味、現状からの意味―置き換え・翻訳・尻拭い
第4講 ことばがわかる犬はこの世に存在しない―伝え合いの七つの要素
第5講 ロシア語でさえずるか、日本語でさえずるか―言語の七つの性質
第6講 幼稚園の子にできて大学生にできなかった試験問題―分ける・深入り・リアリティ
第7講 これからの外国語とのつきあい方―グローバリゼーションと言語

著者等紹介

西江雅之[ニシエマサユキ]
1937年東京生まれ。言語学・文化人類学者。早稲田大学大学院(芸術学)修了後、フルブライト奨学生としてカリフォルニア大学(UCLA)大学院に留学。主に東アフリカ、カリブ海域、インド洋諸島で言語と文化の研究に従事。ピジン・クレオル語研究のパイオニア的存在。東京外国語大学、東京大学、早稲田大学、東京芸術大学などで教鞭をとった。スワヒリ語文法、スワヒリ語辞典を二十代に独力で編纂。現代美術、音楽活動にも多く関わる。また、エッセイストとしても知られ、多くの高等学校国語教科書に作品が採用されている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三上 直樹

4
先日お亡くなりになった西江雅之先生の本を供養がわりに引っぱり出して読了。文章そのものもやさしく「ことば」のエッセンスが伝わりますが、先生を知る者にとっては先生の講義を聴くような懐かしさがこみ上げる一冊でした。 なお、こちらは絶版らしいので、関心を持った人は「新」の方をどうぞ。2015/06/20

エトランジェ

2
言語学について敢えて専門用語を排した形で論じているのが凄い。何かしら外国語に造詣のある人の方がピンとくる点が多いかもしれないが、それでも各言語が持つ文化的背景とことばそのものとが常々背中合わせであることを改めて認識させられる。2015/08/18

サアベドラ

2
言語の二重文節性とか非言語コミュニケーションとか、そういう言語学的ネタを話し言葉でわかりやすく書いた本。言語学や外国語に興味のある人は楽しめそう。ただし、大学で言語学をやってたり専門書をちょっと囓ったりしている人には物足りないかも。2012/07/04

よだみな

1
第1章の「ソマリアの郵便局から手紙の翻訳屋がいなくなるまで」ような話を期待していたのですが、ちょっと違った。ただ、第4章の「世界はのっぺらぼうである」にあった、日本の若い女の人が話しているときに、ちょっと驚いたりすると「(ひっ)」と息を吸ってかすかな声を出すくだりに、わたしだけが気にしているんじゃなかったとほっとしたのでした。わたしはあれが苦手で、アニメの声優が声をだしているものが見られなくなってしまったので。2016/12/17

marixtaka

1
「ことば」はその場、その時、一回限り。言語と文化の直結説は出会う事も多く、つい納得させられてしまいがちだけれど、そう単純なものではないのですね。それぞれの言語がもつ無限の可能性を教えられた感じがしました。2015/09/04

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