新書y<br> クラシック批評こてんぱん

新書y
クラシック批評こてんぱん

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896915563
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C0273

内容説明

吉田秀和、宇野功芳、黒田恭一、志鳥栄八郎から、コンサートチラシ、インターネット・サイトまで。並み居る批評を笑いとばす異色のクラシック文章「毒本」。

目次

第1章 クラシック批評、読めば読むほど…
第2章 音楽批評をとことん面白がる―音楽批評の仕組みの考察
第3章 音楽批評から時代の気配を読む―日本音楽批評史私観
第4章 サルだと書けない音楽批評―音楽批評実践講座
第5章 クラシック批評との付き合い方―美しい日本の批評

著者等紹介

鈴木敦史[スズキアツフミ]
1970年山形県寒河江市生まれ。フリー・ランスの売文業。音楽やメディアの批評、およびそれらの再批評。1989年秘書検定三級に合格。法政大学文学部日本文学科卒業。余生は墓地エッセイの執筆や源氏物語の研究に勤しみたいと希望している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

35
批評文に対する批評文、というテーマでノリにノってる著者は音楽の人であると同時に言葉の人でもあるよなぁと再認識。甘やかされた文章、楽をした批評に対しては嬉々としておちょくりながらも、吉田秀和や黒田恭一といった知性と文体によって対象をきちんと語り得るものとして語ろうとする批評家に対しては真摯な賛同を送っている。特に最終章の批評論は興味深く、批評というものを「対象を書き手の価値判断を用いて分類分析し、それが社会にとって、または自分にとってどのような意味があるかを述べたもの」と述べているのは全面的に同意できた。2016/09/13

みつ

19
『音楽批評の百五十年』繋がりで、過去に何度も読んだこの本もあらためて登録。「クラシック音楽批評」の文を俎上に批評を加えていくという体裁で、明治期の美文調で綴られた演奏会紹介などもあるが、中心はこの本出版時には最近のものが多い。先に読んだ本で登場する(そして私も昔、中公文庫版『主題と変奏』で読み衝撃を受けた)吉田秀和最初期の評論「ローベルト・シューマン」の一節も引用される。宇野㓛芳、黒田恭一の名調子、合評形式での音楽の捉え方は同じなのに正反対の評価を下す例などユーモアも交え、楽しみながら学ぶことが多い。2024/06/04

Viola

4
クラシック音楽の批評を批評する一冊。ひとこと!面白い!さもありなんとうなずいていた評論が、著者の手にかかれば文字通りこてんぱん。ひとつひとつ引用し責める!しかもその文体がおもしろ過ぎて笑いがとまらない。中原中也から2ちゃんねるまでと守備範囲は広く、音楽に留まらず、日本人にとっての評論とは、と真摯に向き合う姿勢に、読者も好感を持って臨む。新興宗教のパンフが参考になるとか、クスリでやられちゃいながら書いてもいい、など危ない表現も点在してるのがまたヒヤッとして快感。2014/05/14

ciiiinu

3
単なる音楽非評論に限らず、あらゆる批評の参考書として著者の批評論は非常に勉強になる。これほど明晰な批評と出会ったのは個人的には初めてだ。2012/11/13

さえきかずひこ

3
屈託が過ぎて、壊れているようにふるまう、そしてところどころほんとうに壊れている、批評への、つまりクラシックを愛好する筆者本人への愛憎入り交じった文体が時折気持ち悪くも、面白く好ましい。明治期のレコード/コンサート評から2ちゃんねるのテキストまで俎上に上げており、作者の守備範囲の広さと作業の苦労がしのばれる。漱石や落語と批評がすきなかたどうぞ。2009/05/21

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