内容説明
神々の国の首都松江で、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と巡り会い、『怪談』など再話文学の助手を務め、良きパートナーとなった小泉セツ。没落士族の困難に満ちた暮らしを、ハーンとともに歩むことで克服したセツの一生を、豊富な資料を駆使して描き切った力作評伝。
目次
1 セツの生い立ち
2 松江士族の没落とセツ
3 ハーンとの出会いと結婚
4 結婚生活
5 未亡人時代
思ひ出の記
著者等紹介
長谷川洋二[ハセガワヨウジ]
1940年新潟市生まれ。新潟大学人文学部で史学を専攻、コロンビア大学のM.A.学位(修士号1974)・M.Ed.学位(1978)を取得。一時期会社員、前後して高等学校教諭(世界史担当)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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joyjoy
9
膨大な資料をもとに書かれたセツの評伝。ひとりの人物について語るって、こんなにすごいことなんだ!と圧倒される。そして、それでもはっきりしない謎?(二人の結婚の経緯のように)があることに、なんだかほっとする。特に心に残ったのは、焼津から奉公に来ていたお咲が嫁す前にセツが伝えたという結婚生活の心得のひとつ。「人間は、どんなにいい姿をしていても、その人の言葉一つでわかります。決して言葉は崩してはいけません」。八雲との言葉のやり取りでも多くの苦労があったであろうセツ、もともと言葉そのものを大事にしていたんだろうな。2025/05/10