内容説明
厳密な論理性と柔軟な感性の交響が拓く、作品論の新しい可能性。小林秀雄の提示する“世界”のリアリティーに迫る渾身の論考。
目次
“私”というアポリア―「一ツの脳髄」と私小説の方法
“出発”の神話―「ランボオ1」をめぐって
痙攣的な問い―『文芸評論』の批評論
実在への飢渇―「おふえりや遺文」
“歌のわかれ”―「Xへの手紙」の意味
“生活”と“文学”の出会う場所―「ドストエフスキイの生活」をめぐって
“歴史”をめぐって―「歴史について」と『無常といふ事』
『無常といふ事』の方法―「当麻」と「実朝」
二元論をめぐって―「常識について」を中心に
言葉・歴史・物―『考へるヒント』の一断面
評論の近代
著者等紹介
樫原修[カシハラオサム]
1950年香川県生まれ。1979年東京大学大学院博士課程単位取得退学。学習院女子短期大学を経て、現在広島大学教授。大正・昭和期の多数の作品論を展開するとともに、それらを貫く史的課題を追究している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。