内容説明
言葉はなぜ人をとらえるのか。坂口弘、坪野哲久、岡井隆、俵万智、寺山修司らの短歌のなかに人間の生に直接かかわる言葉のはたらきを探り、言葉が内在的に抱えた問題点を明らかにする超越的短歌論。
目次
短歌の地上性について
文学の以前へ
文字以前の文字へ
メタモルフォーゼの力
自閉的な現在
私・身体・エロス
人間の居場所あるいは成熟
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
t( 7, 10 )
2
ネット上には生々しい「孤独」が溢れている。ネット世代は誰に伝えるわけでもなく、メッセージ性もないただ感じただけのことを文字にしてネット上に独り言つ。ネット、まして携帯電話も普及してなかった頃、手紙、新聞、本、雑誌でそんな独り言を聞いてくれる関係はまずなかった。だから、自分の「孤独」(伝え難い世界)を聞いて分かってもらうために誰もが文体を磨いた。小説や詩もその類だ。現代人は会話のように相手の反応を伺うこともなく、公の場に自分の生々しい「孤独」を晒している。一方的な独り言が蔓延しているといわれる所以である。2017/03/15
やま
2
短歌の授業のために再読。2014/11/24